半世紀以上にわたって小説、エッセー、作詞など多方面で活躍してきた作家の五木寛之さん(88)は、運命の力に逆らわない生き方を貫いてきた。子供の頃の過酷な敗戦体験が、原点の一つとして人格形成に大きな影響を及ぼしている。
「敗戦は原点というより後遺症みたいなものを深く残している。でも敗戦と引き揚げ体験については、あまり話したくないんです。お涙頂戴になっちゃうから。できるだけ、苦労話はしないというのが基本姿勢です」
五木さんは両親とも教師の家庭に生まれ、父親が朝鮮半島の学校に赴任するのに合わせて幼少期に一家で海を渡った。12歳の時に、日本が植民地として支配していた平壌で敗戦を迎え、間もなくソ連軍が進駐。その土地で母親を亡くした後、父親と2人で博多に引き揚げる。
この記事は有料記事です。
残り1232文字(全文1582文字)
毎時01分更新
◇食卓のメインのドーンと 「今が旬」と聞いて僕が真っ先に思…
吉川貴盛元農相(70)が、大臣在任中に現金500万円の賄賂…
韓国のソウル中央地裁が日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた…