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キャンパスNOW

トップに聞く 志願者数、急上昇 大阪電気通信大学 大石利光学長

 ◇おおいし・としみつ 1955(昭和30)年生まれ、74年大阪府立城東工業高(現・城東工科高)卒。コナミスポーツ株式会社代表取締役執行役員社長などを経て、2010年大阪電気通信大医療福祉工学部健康スポーツ科学科教授。同学部長、学校法人大阪電気通信大学理事などを経て、16年に学長就任。18年同法人理事長。

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新しくなった寝屋川キャンパス。フルオープンな学びの場づくりを目指している=大阪電気通信大提供

ワンチームで魅力向上

 大阪電気通信大の寝屋川キャンパスが生まれ変わりつつある。コナミスポーツ社長を務めた大石利光さん(65)が2016年4月に学長に就任し、教職員とともに大学改革に取り組みはじめて4年半。その成果と進む道は、新たな学舎の空間に表れているという。大石学長に変革の軌跡を聞いた。【安部拓輝】

学部超越 フルオープンな新学舎/情報系学部以外もICT教育充実

 ――大石さんは6年間にわたって教授を務めた後に学長に就任しました。大阪電気通信大のどこに課題を見つけ、解決の手立てを探りましたか?

 教員は私よりもみんな優秀で、それぞれがスペシャリストとして魅力的な研究をしています。それなのに偏差値は30台半ばから40の間で迷走し続けていました。35年には日本の半数の大学が定員割れすると予測されています。大学の魅力を伝えて志願倍率を上げ、偏差値アップを図らないと生き残れないことはみんな分かっていました。

 そこで私は「4年間で偏差値5ポイントアップ」を掲げました。当初は現場から「何を言い出すのか」という声も聞こえましたが、どうやったら達成できるかを考えようと、学長に就任した16年度から1泊2日の研修会を開いて議論を始め、向こう15年の中期計画を作って実現への手順を定めました。総志願者数は17年には約3800人でしたが、2年後には約9000人、今年は1万人を超えました。実際に20年度試験の偏差値は平均で5ポイント上がっていました。目標が形になる達成感を分かち合い、次なる目標に向かう意欲にしています。

 ――一番変わったことは?

 傍観するのではなく、教職員全員が自らの課題として動き始めたことです。私は、大学を一つのチームにする環境を作っただけ。例えば学長就任前は寝屋川、四條畷などそれぞれのキャンパスにいる教員が集うことがなかった。そこで全学部の教授会を年に2回取り入れました。さらに、計画の達成状況を検証できるようにKPI(重要業績評価指標)を定め、学科ごとに教員の給与を変動させる試みも始めています。内容はトップダウンで一方的に決めたのではなく、素案を現場に示してもらい、双方が合意したうえでチャレンジしています。

 ――これからの課題は?

 学部や学科の垣根を越えた研究を促すこと。これまでは先生も学生も研究室にこもりがちで互いに接点がありませんでした。例えば電気電子系と機械系は、学科は違っても企業の中では一緒に仕事をします。その感覚を養ってもらうために、寝屋川キャンパスの新棟は室内に壁を造らず、中央通路と階段からは3階までの全フロアが見渡せる設計にこだわりました。20年6月に半分が完成し、22年春に残りができあがれば、長さ130メートルの「フルオープンな学びのスペース」が生まれます。

 社会の課題や新たなニーズを見つけ、学部や学科を超えて挑戦する学生を奨励するために研究交流会も企画しています。我々の大学は、実学をベースに人間力を培うことを目指しています。学生が多くの教員と接点を持ち、多様な技能に触れる機会を作りたい。我々教員も多くの学生からヒントをもらい、ともに人間力を高めていける大学にしていきたいと考えています。

 ――小学校でプログラミング教育が導入されました。学校をはじめ社会に出ても情報技術を扱う機会が増えていきますね。

 18年度に設立した「ICT社会教育センター」は、本学での蓄積を広く地域で役立てることを目的にしています。地元の寝屋川市や四條畷市、守口市や大阪市などには教員を派遣して情報技術の授業を支援しています。「大阪電気通信大学があってよかった」と思ってもらえる活動を続けたいと思います。

 本学では医療科学科や健康スポーツ科学科の学生も基礎科目の中でICTを学ぶカリキュラムを組んでいます。医療の現場では手術室や集中治療室などで医療機器が不可欠。スポーツや介護・福祉の現場で働く理学療法士の世界でもICT機器を使って人間の動作を解析し、そのデータを読み解く知識が必要になってきます。機械系学科には最新鋭の3Dプリンターを備え、設計から製造までを一貫して学びます。製造業に携わっていた技術者が実験をサポートしながら現場の経験を伝えてくれています。

 デジタルゲーム学科と、ゲーム&メディア学科が本学の中で特に人気な理由は、プロが使うのと同じ機材で実習できるからです。関西最大級のモーションキャプチャースタジオがあり、企業から依頼を受けてCMを制作しています。映像や音楽、アニメーションの編集にはプロのスタッフに学生も加わって技術を見習っています。

 ――21年で創立80周年。キャンパスも変革期にあります。どんな大学を目指しますか?

 情報技術は加速度的に進化しています。進化の先の社会を見据えた実学を伝え、働く現場で社会人として高め合える人間力を養う大学でありたい。そのためには何が必要か? 我々も課題を探究し、学生とともに学び続けたいと思っています。


キャンパス

寝屋川キャンパス

〒572-8530 大阪府寝屋川市初町18の8

四條畷キャンパス

〒575-0063 大阪府四條畷市清滝1130の70

駅前キャンパス

〒572-0837 大阪府寝屋川市早子町12の16

学生数

5486人(2020年5月1日現在)

学部

工学部、情報通信工学部、医療健康科学部、総合情報学部

ホームページ

https://www.osakac.ac.jp/


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