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余録

「マスコミの王様」と呼ばれた評論家の大宅壮一は…

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 「マスコミの王様」と呼ばれた評論家の大宅壮一は、晩年の5年間(1965年10月~70年11月)、週刊誌「サンデー毎日」の「サンデー時評」に健筆を振るった。没後50年の今年、研究者向けの完全復刻版が編まれた▲「俺の書くものは生モノだから日持ちしないよ」。そんな口癖と裏腹に、読み返すと古びていないどころか、テーマも世相も「いま」の引き写しなのが怖いほどだ。筆鋒(ひっぽう)の鋭さは、今日のジャーナリズムを顔色なからしめる▲日韓基本条約について、岸信介元首相らの利権追及を素通りした国会審議を「議会政治は死滅した。政治家の“集団発狂”というべき症状」と激烈に難じ、国民大衆が「現体制を支持するムード」を批判する▲吉田茂元首相が亡くなれば「ワンマン的性格は生活の苦労を全く知らぬから生まれた」と皮肉り、戦後初の国葬に「新憲法に規定がない」と異を唱える。汚職事件との関わりが疑われた自民党総裁公選に「詐欺の場だ。我々はもっと驚こう」と警鐘を鳴らす▲大阪万国博覧会に「ギャンブル、虚栄の市。思いきって延期せよ」と反対。驚くことに当時、日本学術会議の会員選挙で白紙の投票用紙取りまとめ事件があった。時評は政府の監督は求めない。学者の国会も退化する例として論じた▲大宅語録に「男の顔は履歴書」がある。「令和おじさん」と「強権人事発令者」を使い分ける菅義偉首相の顔貌(がんぼう)を、大宅なら何と形容しただろう。50年前の言論は、そんな想像を誘う奔放さがあった。

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