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心優しい「木綿の詩人」 高田賢三(たかだ・けんぞう)さん=新型コロナウイルス感染症のため、10月4日死去・81歳
こよなく愛し、自作のプリントに取り入れたシャクヤクの花のように華麗な生涯だったと改めて思う。活動的で自由なプレタポルテ(高級既製服)の時代を切り開いた高田賢三さんはモードの中心地・パリに愛されたスターデザイナーであった。
存在の大きさを実感したのは筆者が初めてパリを訪れた1980年。高田さんが提唱したフォークロア(民族調)の重ね着や特徴的な花柄のストールを巻いた女性が目についた。多文化的なスタイルに時代のエネルギーを感じた。現地の雑誌を開くと、高田さんが少年のような顔でほほえんでいた。身一つでパリに渡り、上りつめた軌跡に勇気づけられた日本人は多いはずだ。
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