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2020大阪都構想

2020年11月1日投開票の大阪都構想住民投票を巡る動きを追います。

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大阪都構想否決で痛手負った菅首相 揺らぐ「蜜月」関係と憲法改正

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大阪都構想の住民投票の結果について記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2020年11月2日午前8時42分、竹内幹撮影
大阪都構想の住民投票の結果について記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2020年11月2日午前8時42分、竹内幹撮影

 「大阪都構想」への賛否を問う住民投票が否決されたことで、日本維新の会と良好な関係を築いてきた菅義偉首相にとっては痛手となった。賛成に転じた公明党と、地元府連が反対論を展開した自民党との間にもしこりを残す。大打撃を受けた維新は出直しを迫られ、与野党の次期衆院選の戦略にも影響を与えそうだ。

維新失速、政権運営に影響も

 首相は2日、大阪都構想の否決について、「大都市制度の議論に一石を投じたのではないか。地方を元気にするために、いろいろな議論をしていくのは大事なことだ」と首相官邸で記者団に述べ、維新による都構想への取り組みを評価した。自身の賛否は明らかにしてこなかったが、10月29日の衆院本会議でも「二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとする大都市制度の大きな改革であると認識している」と意義を強調していた。

 首相は、野党時代に自民党の「大都市問題に関する検討プロジェクトチーム」座長を務め、都構想の法的根拠となる2012年の大都市地域特別区設置法成立を推し進めた経緯がある。維新の松井一郎代表(大阪市長)とは当時から「蜜月」関係を築いてきた。安倍政権時代には、松井氏と安倍晋三前首相、橋下徹元大阪市長と4人で年末に会食するのが恒例で、新型コロナウイルス対策を巡り、「松井氏が電話で『厚生労働省の人を紹介してくれ』と言うから紹介した」と周辺に語るなど、度々連絡を取り合う仲だった。

 だが、その松井氏は23年4月の市長任期満了での政界引退を表明し、維新の影響力低下は避けられない。自民党関係者は「首相の後ろに住民投票で勝った維新がいれば、党内へのけん制になり、強気の政権運営ができた」と指摘。無派閥で党内基盤が弱い首相にとって、松井氏の引退表明と維新の失速は痛手とみる。

自民内で強まる早期解散論

 憲法改正を巡っては、発議に必要な3分の2以上の議席を参院で確保するためには維新の協力は不可欠だ。政府提出法案に賛成することが多く、与党による「強行」色の打ち消しにも一役買ってきた。こうした経緯から菅氏も安倍前首相も維新との関係を重視してきた。首相の地元・横浜市が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)でも、維新は大阪への誘致を進め足並みをそろえてきた。…

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