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緊急現地報告「割れる米国」

なぜ筋金入りの共和支持者はトランプ氏を見限ったのか 改心支えるプロジェクトとは

ジャック・ミードさん(右)とマリー・ミードさん=本人提供

 米大統領選は目前だ。トランプ大統領への支持は依然根強いとされる一方で、共和党支持者の中でも「反トランプ」を掲げる声はある。オハイオ州のジャック・ミードさん(57)は4年前、「トランプ氏はファシストだ」と警戒していたが、今回連絡を取ると、さらに反トランプ色を強めていた。自身はトランプ打倒を掲げる政治団体に献金し、息子も「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ、BLM)」の抗議デモに参加して警察から催涙弾を浴び、現政権に反発する。【米オハイオ州アッパーアーリントンで國枝すみれ/統合デジタル取材センター】

政治信条超えて共通する「反トランプ」

 「もう疲れた。トンネルの先が見えない。なぜ全てのことが政治問題になるのか理解できない。BLMは人権問題だし、新型コロナウイルスは公衆衛生の問題なのに」。ジャックさんの妻マリーさんはうんざり顔だ。

 ジャックさんは、共和党の政治家、プリシラ・ミードさんの長男。自身は共和党の支持者、妻は民主党の支持者だが、反トランプという点では息がぴったりだ。

 マリーさんが言う。「4年前、クリントン氏に投票したくないからトランプ氏に投票した人たちはこう言っていた。『トランプ氏が大統領になったとして、どれだけ悪くなるっていうんだ? 大統領になればそれらしく振る舞うだろうし、専門家を雇って助言を受けるだろう』って。ノー! 全くそうじゃなかった!」

 トランプ政権では閣僚やアドバイザーだけでなく、各省庁の上級職員がバンバンやめていった。「政府でも企業でも大きな組織で実際に実務をこなしているのは彼ら。専門家をごっそり失った政府は再建に何年もかかる」。州立大学の管理部門で働くマリーさんらしい意見だ。トランプ氏について、最も不満な点は「株価のことしか気にしていない」ことだという。

「今の共和党はトランプ党だ。我々の代表ではない」

 一方、共和党一家で育ち、銃販売会社に勤務していたジャックさん。憲法修正第2条(銃を持つ権利)を大切に思ってきた。全米ライフル協会(NRA)の会員で、私を射撃場に連れ出して、拳銃の撃ち方を丁寧に教えてくれたこともある。そんなジャックさんだが、トランプ氏を嫌悪するあまり、2016年は民主党に投票した。

 「4年前に心配していたことが全て起こった」。ジャックさんはトランプ支持を発表したNRAとも距離を置き、年会費を支払うこともやめた。「トランプ陣営にNRAを通じて1ペニーだって渡したくなかった。…

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國枝すみれ

1991年入社。英字新聞毎日デイリーニューズ編集部、西部本社福岡総局で警察担当記者、ロサンゼルス支局、メキシコ支局、ニューヨーク特派員を経て、2019年10月から統合デジタル取材センター。05年、長崎への原爆投下後に現地入りした米国人記者が書いたルポを60年ぶりに発見して報道し、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

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