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余録

「大坂三郷」とは…

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 「大坂三郷(おおさかさんごう)」とは江戸時代の大坂城下の北組、南組、天満組の三つの町組の総称である。三郷に属する町は計620町、それぞれの組には町人から選ばれた惣年寄(そうとしより)が置かれ、各町の町年寄とともに町政にあたった▲こちらは今日の政令指定都市・大阪市を廃止して“大阪四郷”、いや4特別区に再編しようという「大阪都構想」である。その賛否を問う住民投票での市民の選択は、5年前の投票の票差を上回る1万7000票差での「否」だった▲大阪維新の会が結党時から掲げ、以来10年間に及ぶ維新旋風の目となってきた都構想の重ねての頓挫(とんざ)である。維新代表の松井一郎(まつい・いちろう)大阪市長が任期満了後の政界引退を表明し、吉村洋文(よしむら・ひろふみ)府知事も再挑戦断念を明言するその終幕となった▲府市の二重行政を排する都構想だが、この間の維新による市政・府政間の連携が構想の無用を市民に示すかたちになったのが皮肉である。加えて都構想への疑問や不安について反対派を説得できる説明が乏しかったのも否定できない▲大正時代に東京市長を務めた後藤新平(ごとう・しんぺい)は、東京よりもはるかに優れた大阪市民の自治能力をたたえた。「それは大阪市民が議論家ではなく実行家であって都市の改善発達に熱心なるがためである」。これも大坂三郷以来の伝統なのか▲都構想なる「議論」に振り回された近年の大阪の市政だが、府市連携の「実行」が議論の堂々めぐりを終わらせたのならば別に悪いことではない。市民誰の目にも見える大阪の明日を描き直す時である。

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