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社説

日本学術会議問題 ほころぶ一方の首相答弁

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 答弁するほど逆に疑問が深まっていく。菅義偉首相はそんな状況に陥っている。日本学術会議の新会員候補のうち6人を任命しなかった問題である。

 内閣発足以来、初の一問一答形式での論戦となったきのうの衆院予算委員会の質疑もそうだった。 再三指摘してきた通り、疑問の核心は、なぜ6人を任命しなかったか、その理由である。

 野党側が「6人が安保法制など政府方針に反対したからではないのか」と追及したのは当然だ。

 これに対し、首相は「政府に反対したから外すということはあり得ない」と断言した。

 ところが「ではなぜ」と重ねて問われると、相変わらず「人事に関することであり、答弁は差し控える」と繰り返すだけだった。これで納得できるはずがない。

 首相は先の代表質問で、会員の45%が「旧帝国大学」に所属し、若手も少ないなど会員構成に偏りがあると指摘した。その上で「多様性が大事だということを念頭に私が判断した」と答弁した。

 しかし任命しなかった6人の半数は私大に所属し、女性もいる。このため野党側は「首相が言う『多様性』に逆行している」とただしたが、ここでも「個別の人事」を盾に答えなかった。

 「政府が行うのは形式的任命に過ぎない」としてきた過去の政府答弁との整合性がとれない点も解消されていない。

 政府は2018年に任命拒否を可能とする見解をまとめた。04年に推薦方式が現行の方式に変わったことを受けた見解だという。

 ただし、その04年当時も「首相が任命を拒否することは想定されていない」と政府の内部資料に明記されていたことが明らかになっている。

 政府の説明はほころぶ一方だと言っていい。

 菅首相はNHKのテレビ番組で「説明できることと、できないことがある」と述べた。だが、そもそも説明できないことを政府がすべきではない。

 学術会議について、首相は予算委でも「閉鎖的で既得権益のようになっているのではないか」と語り、組織の見直しに言及した。そうした論点のすり替えでは到底切り抜けられない段階に来ている。

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