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ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

所属チームの元スタッフから贈られたヘアバンドを身につける車いすラグビーの倉橋香衣=2020年10月26日午後1時23分、谷口拓未撮影

パラアスリート交差点

車いすラグビー・倉橋香衣「楽」 ウェブでつながる仲間との絆

 長くコンディション不良に悩まされていますが、徐々に個人トレーニングの負荷を高めることができています。実戦復帰はまだ先のことになりそうですが、着実に前進しています。高いパフォーマンスを取り戻し、東京パラリンピックに日本代表として出場するため、今はできる限り、ラグ車(競技用車いす)に乗っていたいです。

 トレーニングに没頭している一方で、「何をやっているんだろう。もうやめたい」というネガティブな思考に襲われたこともあります。「これくらいの負荷なら対応できる」と臨んだメニューで思うように体が動かず、対応できなかった時は、非常に落ち込みます。しかし、こういった出来事も乗り越えていくしかないのでしょう。

 個人トレーニングやリハビリの日々は、ともすれば、孤独感にさいなまれますが、テクノロジーの進歩のおかげで孤立せずにいられます。今は日本代表の強化合宿に参加できていませんが、ウェブ会議システムを使い、パソコンでその様子をのぞいています。

 活気ある練習や仲間の姿から刺激を受けることができるのは、貴重な機会となっています。ケビン(オアー・ヘッドコーチ)の発言に耳を傾けつつ、日本代表の目指すプレーや練習内容を把握することで、今後、スムーズな代表への合流が可能となります。

 ケビンがリアルタイムで私の個人トレーニングに助言してくれるなど、オンラインの長所があります。ただ、利便性に感謝すると同時に、日本代表のチーム作りを進める上で、現場での密なコミュニケーションの重要性を以前よりも感じています。オンラインでの会話は表情が読み取りにくく、真意をくめないこともあるので、しっかりとした意思疎通を図っていきたいです。

 旅行が大好きで、計画を立てて知人と「GoToトラベル」したい気持ちもありますが、我慢、我慢。新型コロナウイルスは油断できないし、何より、復帰のために、今はそれどころではありませんからね。お正月の帰省を楽しみに精進します。焦らずに日々を積み重ね、できるだけ早くコート上で元気な姿を披露したいです。(あすは車いすバスケットボールの鳥海連志です)

Q 大切にしている宝物を教えてください。

 A 所属チーム「BLITZ(ブリッツ)」のスタッフを務めていた2人から、2018年の世界選手権前後にいただいたヘアバンドは、練習や試合で大切に使っています。「これを身につけて東京パラリンピックに出てね」という言葉が、とてもうれしかったです。

 その温かい思いもしっかりと受け取ったので、髪は束ねて縛れるくらいまで伸びた今も、ヘアバンドを愛用し続けています。さまざまな色の12本が手元にあるので、その日の気分で使い分けています。でも、最近は伸ばした手に当たったものを使いがち。若干使用頻度が偏っています。

くらはし・かえ

 神戸市出身。小学1年から高校までは体操に取り組み、文教大でトランポリンに転向。大学3年だった2011年、トランポリンの練習中に頸髄(けいずい)を損傷し、鎖骨から下の多くの機能を失った。15年から本格的に車いすラグビーを始め、18年世界選手権で日本の初優勝に貢献。商船三井所属。30歳。