会員限定有料記事 毎日新聞
米国ニューヨーク州で過ごした小学生時代に、白人少年と一緒に、黒人少年の体につばを吐きかけたことがあります。1970年代後半です。現代の「BLM(黒人の命は大事だ)」運動が糾弾する米社会で、子どもながらも「殺す側」に立っていたように思います。
通った現地校はほぼ全員が白人で黒人はゼロ。日本人は少なく、野球のイチロー選手のように「クールな」日本人も知られていませんでした。「ハラキリ」「カミカゼ」と言われるのが恥ずかしく、アパルトヘイトの残る南アフリカで日本人が「名誉白人」なのを誇りに思う卑屈な子でした。
毎夏、男の子ばかりが各地から集まり、湖畔で4週間泊まり込むキャンプに参加していました。例年は白人ばかりで、夏限定の友人もできました。ある年、都会の貧困地区から少数の黒人少年が招かれました。なぜか彼らとにらみ合うこととなり、私は白人の友人と目を合わせて「承諾」を得て、つばを吐きました。
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