通学や仕事をしながら家族の介護・世話をする子ども「ヤングケアラー」をめぐり、政府は今冬、全国の教育現場で初の全国調査に乗り出す。関係者が「本格的な支援の第一歩」と歓迎する一方、問題が深刻化する中で、国内の実態把握につきまとう課題を探った。【田中裕之、山田奈緒】
◆児童・生徒
「相談したところでどうせ誰にも理解されない」。うつ病とパニック障害の母を中学2年生から就職・独立するまで支えた横浜市の坂本拓さん(29)は、学生の頃、教師や友人に母のことを相談したことはない。「よその人に知られたくない」という母の心情と、精神疾患に対する世間の偏見を分かっていたからだ。
子ども時代、母の再婚相手は別居し、4歳上の姉も家を出て行った。「死にたい」「お金がない」と繰り返す母を「大丈夫。一緒にやっていこう」と深夜まで励ました日々。母のリストカットや過呼吸を何度も目にし、料理や買い物などの家事もした。
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