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社説

新型出生前診断 国は議論で主導的役割を

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 妊婦の血液を採取して胎児の染色体の状態を調べる新型出生前診断(NIPT)について、厚生労働省が新たに専門委員会を設置し、議論を始めた。

 NIPTをめぐっては、2013年に日本産科婦人科学会が指針を策定し認定制度を設けた。しかし、指針を無視する無認定施設が急増した。

 関連学会は指針改定による認定施設の拡充を議論してきたが、出生前診断を学会の自主規制だけに任せるのは限界だろう。

 厚労省は国としての指針策定も視野に議論を主導してほしい。

 NIPTは妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを分析し、ダウン症など3種類の染色体異常があるかどうかを推定する検査だ。これだけで正確な判定はできず、確定診断には羊水検査が必要となる。

 学会の認定施設は20年6月現在109施設あるものの、美容クリニックなど無認定施設の検査を利用する人も多い。

 厚労省のワーキンググループが昨年度に実施した調査によると、無認定施設は遺伝カウンセリングを実施していなかったり、不十分だったりするところが多かった。

 結果だけを知らされ、その後の選択に悩む妊婦もいる。確定診断を経ずに人工妊娠中絶を選んでしまう恐れもあるだろう。

 リスクの低い若年の妊婦まで対象にしたり、全染色体を対象とした検査を併せて実施したりしている施設もあった。

 一方、認定施設でも説明や遺伝カウンセリングの質にばらつきがあるという課題が浮かんだ。

 日本産科婦人科学会は昨年6月、指針の実施要件を大幅に緩和する方針を打ち出し、日本人類遺伝学会や小児科学会などから批判された。今年6月、学会指針は再改定され、関連学会の合意も得たが、もっと幅広い声を取り入れるべきだとの指摘もある。

 国の専門委員会は、障害者本人や家族、カウンセラーなどからも意見を聞いて、議論を進めてほしい。診断の精度管理や遺伝カウンセリングの義務付けに加え、障害を持つ子どもの子育てや社会的支援などについて、十分な情報を提供する体制も欠かせない。

 それが本当の意味でのカップルの自己決定を支えるはずだ。

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