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岡崎 武志・評『銀閣の人』『文学は実学である』ほか

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今週の新刊

◆『銀閣の人』門井慶喜・著(角川書店/税別1800円)

 私事になるが、学生時代、銀閣寺参道の古民家に下宿していた。ラーメン屋へ行くより、銀閣の方が近かったのである。京都の並み居る著名な神社仏閣の中で、とりわけ愛着があるゆえんである。

 門井慶喜『銀閣の人』とは、すなわちこれを生んだ室町幕府八代将軍・足利義政。現在でも「日本文化」の源流とされる美意識や様式は、彼の治世に成立した。その象徴が慈照寺(通称「銀閣寺」)である。応仁の乱で荒廃する古都で、いかにして創建されたか。

 金閣寺を創建した祖父・義満の威光、仏門に入った弟・義視の相反、日野家の財力を背景に政治を仕切る妻・富子と、「銀閣の人」は乱世でひたすら孤独に生きた。そんな中で育み、独自の美を紡ぎ出した義政の姿が描かれていく。

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