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武田 砂鉄・評『世間とズレちゃうのはしょうがない』養老孟司、伊集院光・著
2020/11/4 18:10(最終更新 11/4 18:18)
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しんどいんだからズレちゃえばいい
◆『世間とズレちゃうのはしょうがない』養老孟司、伊集院光・著(PHP研究所/税別1450円)
この対談本がどういう本かといえば、世間とズレちゃうのはしょうがない、という本だ。
そう、しょうがないのだ。しょうがないのに、生きていると、「少しは合わせろ」「そうじゃないだろ」などと、微調整や大胆な変更を強いられる。なぜか世間を背負っているつもりの人からあれこれ指図され、黙り込む。
世間とズレているという自覚を持つ二人だが、そのズレにはズレがある。伊集院は、ズレに怯(おび)えながらも「今はなんとか調整しつつ生きている」。養老は、「しょうがないと開き直って、開いた距離感で世間を冷静に見つめている」。
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