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作家の中村文則さん=東京都千代田区で2020年1月23日、宮間俊樹撮影

 もし観(み)ているテレビドラマや映画が、こんなふうだったらどうだろう。

 架空の国の首相が、本来任命されるはずだった学術会議の学者を排除し、その理由を説明しないというストーリー。

 その物語を観ている我々は思う。早く理由を説明しろと。なぜならこれは権力の異例の行使であり、国のトップが、自分の権力の行使の理由を説明しないなど国家としてありえないからだ。観ている我々は「なるほど、そういう理由で任命しなかったのか」と納得できる説明が聞きたい。だが物語ではその代わりに、是々非々のふりをして政権を擁護し続ける論客たちが――実にみっともない――論点をすり替えるために次々登場する。これはかなりストレスだ。

 しかもこの物語では、前首相の時、「余人をもって代え難い」というよくわからない説明で法律を変えてまで検察のトップにしようとした人物が賭け麻雀(マージャン)をしており、その前には、「桜を見る会」の前夜祭で、明細書を出せば済む説明をいつまでも拒否し、桜を見る会の参加者名簿が不自然なタイミングで破棄された説明が「シュレッダーの順番待ち」だったという「伏線」まであった。この不思議な物語の今の首相は、前首相…

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