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余録

「一味和合」は仏教の教団で僧の団結を表す言葉という…

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 「一味和合(いちみわごう)」は仏教の教団で僧の団結を表す言葉という。寺院の重要決定が僧の多数決や選挙で行われた古代や中世には、表決に際した議論の心構えでもあった。多数決には集団の和合が不可欠とされたのだ▲今日の政治学でも多数決が機能するには、成員がその団体を永続させる意思を共有していることが前提となる。加えて自由な発言が保障され、私情によらぬ公正な論議がなされる必要がある(利光三津夫(りこう・みつお)他著「満場一致と多数決」)▲上意下達がもっぱらだった昔の日本にも、一部にそんな民主的な意思決定のモデルがあった。その日本が近代の政治の作法を学んだ米国の民主主義だったが、いくつもの分断線がその一味和合を危うくする中で迎えた大統領選である▲投票妨害、騒乱、暴動、果ては内戦などという物騒(ぶっそう)な言葉が飛び交った異形の大統領選だが、フタを開ければ平穏裏に進んだ投開票である。そしてまたも激戦州において世論調査の事前予測を上回る集票をみせたトランプ陣営だった▲この事態にトランプ大統領は「すばらしい成功」「大きな祝いを準備している」と勝利への自信を示した。一方、民主党票の多い郵便投票に今後の期待をかけるバイデン氏は開票を見守る姿勢を強調し、劣勢の見方を否定してみせた▲コロナ対策の郵便投票が勝敗のかぎとなる展開はかねて予想され、先行き法廷闘争もありえる。一味和合の失われた集団の多数決の紛糾と、もたらされる混乱は、昔の日本のお坊さんも恐れていたのである。

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