春先に起きた新型コロナウイルスの感染拡大の「第1波」では、高齢者が利用する介護施設で集団感染が起きると、地域にある別の施設でも休業やサービス縮小に踏み切る動きが広がった。感染の「再拡大」に備え、地域の介護サービスを維持するには何が必要なのか。【石田奈津子】
広島県三次市では4月上旬、市内のデイサービス「水明園」を利用する80代女性が新型コロナに感染していることが分かった。翌日、その女性宅を訪れていた訪問介護事業所のホームヘルパーの感染も判明。その後、水明園の利用者23人とその家族など計31人に広がった。最終的に感染者は、水明園を含む4事業所で計39人に達した。
同じ地域では、感染拡大と別の現象も起きていた。水明園でのクラスター(感染者集団)が判明した直後、市内にあるデイサービスや訪問介護事業所が次々と休業。中には感染者がいなくても、予防的に休業やサービス縮小に踏み切った事業所もあった。
1週間後には市内にあるデイサービスなどの約9割にあたる58事業所で休業など影響が出た。同市の担当者は「できる限り継続を要請したが、想定以上に広がった」と振り返る。
デイサービスは、高齢者が主に「通いの場」として利用する。こうした事業所では、定期的に複数事業所のサービスを掛け持ちする人がいるほか、リハビリや入浴など目的ごとに異なるサービスを別々の事業所で受ける人もいる。自宅で身体介護を受ける「訪問介護」の併用など1週間に三つ以上の事業所を利用する高齢者も珍しくない。
ケアを担う職員も、複数の高齢者宅を出入りしている。介護職員は、入浴やトイレの介助を通じて利用者との身体的距離も近い。
また、感染が判明した4事業所のうち2事業所が匿名での公表だったことも疑心暗鬼を招いた。広島県によると、…
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