三池炭鉱事故から57年 懸命に生きた人々伝えたい 父を亡くした少女モデルに絵本

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炭鉱事故で父親を亡くした親友との交流を題材にした絵本「あの日をわすれない」を刊行した山口貴美子さん=福岡県大牟田市で、2020年10月28日午後2時25分、青木絵美撮影
炭鉱事故で父親を亡くした親友との交流を題材にした絵本「あの日をわすれない」を刊行した山口貴美子さん=福岡県大牟田市で、2020年10月28日午後2時25分、青木絵美撮影

 1963年11月に福岡県大牟田市の旧三井三池炭鉱三川坑で発生した炭じん爆発事故で父を亡くした少女を題材に、少女の同級生が絵本「あの日をわすれない めぐみちゃんときんこちゃん」を刊行した。458人が犠牲になった戦後最悪の炭鉱事故から9日で57年。あの日の少女は「事故を知らない子どもたちにも戦後の日本を支えた炭鉱が大牟田にあり、そこで懸命に人々が生きていたことを知ってほしい」と語る。

 絵本のモデルとなったのは、現在は鹿児島県霧島市で暮らす小浜めぐみさん(64)。小学校時代の同級生で、大牟田市の元小学校教諭の山口貴美子さん(64)が2年前に出版したエッセーに、事故で父親を失った小浜さんとの交流をつづったところ、エッセーを読んだ2人の同級生の田中昭子さん(63)=大牟田市=から「今の子どもたちに伝えるべきだ」と勧められ、絵本制作が進んだ。

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