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心の眼

視覚に障害がある佐木理人記者が、誰もが不安を和らげ希望につながるような報道とは何かを考えます。

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「デジタル化」が生む壁=点字毎日記者・佐木理人

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 2001年に結婚した当初、私の家庭内での担当は、新居の家賃の振り込みだった。重宝したのは、当時珍しかったインターネットバンキングだ。画面を音声で読み上げるソフトが入ったパソコンで、振り込みだけでなく、残高や入出金の確認が自力でいつでもでき、「なんて画期的なシステムだろう」と感動した。

 ところが、その銀行のウェブサイトが最近、スマートフォン中心の仕様になった。画面の様子も操作手順も一変した。四苦八苦したあげく、とうとう目の見える妻に見てもらい、なんとか使えるようになった。

 政府は今、さまざまな分野のデジタル化を検討している。行政手続きだけでなく、学校から保護者への連絡にメールを活用するという。手続きややり取りが自力でできるなら歓迎だ。しかし、新たな環境が、視覚障害者ら「デジタル弱者」に使えるとは限らない。障害の有無に関係なくITの利用が苦手な人もいる。

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