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日本国憲法は、1947年の施行から74年を迎えました。改憲手続きや、内容を巡る議論を追います。

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菅首相、安倍氏の談話軽視? あつれき懸念も

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自民党の清和政策研究会(細田派)の政治資金パーティーに出席した安倍晋三前首相(右端)と菅義偉首相(左端)=東京都港区で2020年9月28日午後6時5分、宮間俊樹撮影
自民党の清和政策研究会(細田派)の政治資金パーティーに出席した安倍晋三前首相(右端)と菅義偉首相(左端)=東京都港区で2020年9月28日午後6時5分、宮間俊樹撮影

 菅義偉首相が、敵基地攻撃能力の保有検討を念頭においた安全保障政策に関する安倍晋三前首相の「談話」を軽視しているのではないかとの見方が広がっている。一方の安倍氏は活発な動きで、路線継承するよう菅氏への圧力を強めているとの臆測もあり、新旧首相のあつれきを懸念する声も出ている。【木下訓明】

談話「効力は及ばない」

 菅氏は11月4日の衆院予算委員会で、安倍氏の談話について「私の内閣においても談話を踏まえて議論を進め、あるべき方策は考えていきたい」と述べる一方で、「この談話は閣議決定を得ていない。そういう意味において、原則として効力が後の内閣に及ぶものではないと考えている」と踏み込んだ。

 この談話は、退陣間近だった安倍氏が「首相の談話」として9月11日に発表した。抑止力の強化などについて、敵基地攻撃能力の保有検討を念頭に「与党ともしっかり協議し、今年末までに、あるべき方策を示し、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に対応していく」と明記。安倍氏は記者団に対し、談話は次期政権を縛らないと前置きしつつ、「次の内閣でも議論を深め、責任を果たしていくのは当然だ」と語っていた。

 敵基地攻撃能力とは、攻撃される前に敵のミサイル基地などの拠点をたたく能力。安倍氏は在任中、ミサイル技術を向上させた北朝鮮の動向などを受け、敵基地攻撃能力の保有検討に意欲を持っていた。

所信から消えた「今年末」

 ところが、9月16日に就任した菅氏は、10月26日の所信表明演説で「イージス・アショアの代替策、抑止力の強化については、先月公表の談話を踏まえて議論を進め、あるべき方策を取りまとめていく」と述べただけで、安倍氏の談話にあった「今年末までに」という期限は抜け落ちていた。

 政府・与党内には「どうして『今年末』が消えたのか」「越年の可能性もあるのか」などと動揺が走り、敵基地攻撃能力の保有検討に関して、政府が年末までの結論取りまとめを見送るとの見方も出ている。

 安倍政権の継承を掲げていたはずの菅氏が、なぜ談話の「効力は及ばない」とまで踏み込んだのか。背景には、敵基地…

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