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菅首相が主張する学術会議の「既得権益」 本当にあるのか、いいがかりか

任命拒否理由の説明などを求める声明を発表する「人文社会系学協会連合連絡会」の学者=東京都千代田区で2020年11月6日午前10時42分、岩崎歩撮影

 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題を巡る国会論戦で、政府・自民党が学術会議の組織のあり方への批判を強めている。菅首相は予算委員会が始まった2日以降、「閉鎖的で既得権益のようになっている」と繰り返すようになった。一連の「口撃」内容を検証すると、こじつけや言いがかりのような主張も目立ち、会員らの間で「何の権益があるのか逆に聞きたい」と困惑が広がる。

偏る分野、たらい回し…具体性欠く政府の批判

 2日の衆院予算委。自民の大塚拓議員は、学術会議の会員が法・政治学分野に多いことをやり玉に挙げた。総務省の2019年度の統計「科学技術研究調査」では、国内の法・政治学の研究者は8177人、電気・通信は15万3942人いるとして「非常に偏った組織だ」と決めつけた。

 会員数は現在、「法学」「政治学」計16人に対し、「電気電子工学」は9人。大塚氏の主張に沿って単純計算すると、両分野の研究者から会員が選ばれる確率は33倍異なることになる。ただ、法・政治学の8177人は大学などに所属する研究者だけを数えているが、電気・通信の15万3942人は民間企業の研究者を含んだ数だ。電気・通信の研究者を大学などに限った場合は1万836人で、大きな差があるわけではない。

 矛先は会員の選考方式にも向けられている。大塚氏は210人の会員の多くが約2000人の連携会員から選ばれているとして「特定の既得権集団がポストをたらい回ししている」と指摘。菅首相も「(全国で約90万人の研究者が)会員、連携会員とつながりを持たなければ会員になれないような仕組みだ」と同調し、任命拒否を正当化した。

 実際はどうか。会員、連携会員を選考する仕組みは、…

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