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2020米大統領選

2020年11月に行われた米大統領選。共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン氏が争い、バイデン氏が勝利した。

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「開票不正事実でない」 米主要TVがトランプ氏の声明中継カット

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 ホワイトハウスで「選挙不正」に関する声明を読み上げるトランプ米大統領(右)の生中継を「虚偽が含まれる」などとして中断した米NBCのアンカー、レスター・ホルト氏=NBCのサイトから
 ホワイトハウスで「選挙不正」に関する声明を読み上げるトランプ米大統領(右)の生中継を「虚偽が含まれる」などとして中断した米NBCのアンカー、レスター・ホルト氏=NBCのサイトから

 トランプ米大統領は米東部時間5日夕(日本時間6日午前)、ホワイトハウスで声明を発表し、「米大統領選の開票で不正があった」などとする主張を繰り返した。この声明を米主要テレビ局などは生中継していたが、複数の米メディアによると、3大ネットワークのABC、NBC、CBSや公共ラジオNPRなどは「虚偽が含まれている」などとして途中で放送を取りやめ、トランプ氏の発言内容のファクトチェックを行うなど、極めて異例の対応を取った。【和田浩明/統合デジタル取材センター】

「虚偽が含まれる」中継を中断

 トランプ氏はホワイトハウスの記者会見室で午後6時46分ごろから声明の読み上げを始めた。冒頭、「合法的な票を数えれば私は簡単に勝っている。違法な票を数えるなら、彼らは我々から選挙を盗むことが可能だ」などと発言。郵便投票などの事前投票で不正が行われているとの考えを改めて示したが、具体的な証拠には言及しなかった。

 さらにトランプ氏は「巨大メディアや金融機関、テクノロジー企業による歴史的な選挙介入があったが、我々は歴史的な数字で勝った」「世論調査会社は誤った調査結果を流した」などとも主張したが、いずれも根拠には言及しなかった。声明は約17分間にわたったが、声明を読み上げた後に次々に投げかけられた記者の質問には全く答えず、退場した。

 NBCテレビは声明の読み上げ開始から約6分20秒ごろに、アンカーのレスター・ホルト氏が「声明の途中ですが、大統領はいくつもの虚偽の発言をし、トランプ陣営もその根拠を示せていません」などと割って入り、スタジオの記者らに発言内容について解説させた。

 MSNBCでは声明の開始直後に、アンカーのブライアン・ウィリアムズ氏が「めったにないことですが、アメリカ合衆国大統領の発言に割って入り、訂正することにします」などと発言して、中継を停止。「合法的な票を数えれば勝っている」としたトランプ発言のファクトチェックを法律問題担当記者に促した。

 AP通信は、各局がトランプ氏の声明中継を中断したことを報じる電子版記事で「トランプ大統領は、(激戦州の)ペンシルベニアやジョージアで自らの優勢が後退する中、米東部時間のニュース放映をハイジャックしようとした」などと指摘。視聴者が多い夜のニュース時間帯をついて、自己の主張を拡散しようとしたとの見方を示した。

 一方、米主要紙のUSAトゥデー紙もウェブサイトでの生中継を中断した。理由についてニコール・キャロル編集長は「我々の仕事は真実を広めることで、根拠のない陰謀論を広めることではない」と説明した。

CNN、FOXは全部放送したが…

 一方、すべての声明を放送したのはCNNとFOXニュースだ。しかし、CNNではアンカーのジェイク・タッパー氏が中継終了後に「アメリカ合衆国にとり、非常に悲しむべき夜です。選挙を盗もうとしているとの虚偽の非難を大統領が人々に向け、民主主義を攻撃した。うそに次ぐうそで、主張にはなんの証拠もありません」などと激しく指弾した。トランプ氏に極めて近いとされるFOXですら、…

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