神奈川県座間市のアパートで2017年、9人の若い男女の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告(30)の公判は11月2日、7人目の被害者とされるさいたま市の高校2年の女子生徒(当時17歳)の事件についての被告人質問があった。本好きな女子高生はあの日、家族に「スーパーに昼食を買いに行く」と告げたまま、アルバイトでためた2万円を引き出し、被告の元に向かったという。
<東京地裁立川支部101号法廷>
証言台に向かう白石被告は腕を組んで目を伏せていた。不ぞろいの伸びた髪には寝癖がついていた。検察官はまず、女子高生との接点について質問した。
検察官「(女子高生の)ダイレクトメッセージのデータが残っていませんでした」
被告「証拠隠滅のため、(女子高生を)説得して消去させた可能性が高いと推察できます」
検察側によると、女子高生は被告のツイッターアカウント「首吊(つ)り士」をフォローしていたという。だが、いつ、どんなやりとりがあって会うことになったのかは、明らかにならなかった。
17年9月26日ごろから高校を早退するようになった女子高生は、同30日午前10時半過ぎ、母に「スーパーに買い物に行く」と言って家を出た。普段はサンダル履きなのにスニーカーを履いていることを母に聞かれ、「いいじゃん」と答えたという。女子高生は口座から2万円を引き出し、午後1時過ぎに被告のアパートの最寄り駅の小田急線相武台前駅に着いた。駅前のハンバーガー店で待たされた後、被告と自宅アパートに向かった。
被告は、女子高生から「悩みを聞いたりした」と説明した。
検察官「殺してください、一緒に死のう、という話は(女子高生から)出ましたか」
被告「出ませんでした」
検察官「本名は聞きましたか」
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