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週刊テレビ評

米大統領選報道に何が欠けていたか 世論調査の妄信と現場主義の放棄=金平茂紀

「選挙の不正」を訴えるトランプ大統領の支持者ら=デトロイトで2020年11月6日午前11時42分、鈴木一生撮影

 胃がきりきり痛む。同時に、アメリカという国に対する喪失感と希望を抱いている。あのトランプ氏が負けそうだ。現職が1期だけで退くのは異例のことだ。10月19日からアメリカに入り、PCR検査を受けながら、大統領選の取材を続けてきた。

 この原稿を書いている場所はワシントンDCで、日本との時差が14時間ある。日本ではどんな報道がテレビで流れているのだろうか分からない。11月3日の投票日翌日の未明、共和党のトランプ大統領はホワイトハウスで支持者を前に一方的に「勝利宣言」をやってのけた。実際には未集計の票が大量にまだ残っている段階なのに「我々がこの選挙に勝った」と言い放ち、集計をもうやめるように連邦最高裁に訴えるなどと支離滅裂なことを言った。郵便投票に「詐欺(fraud)」とまで言った。

 これまで何度か米大統領選を現地取材してきた。4年前、民主党のヒラリー・クリントン候補が敗退した時と同様、事前の予測で優勢が報じられた同党のバイデン候補が一時苦戦しているようにも見えた。反対にトランプ候補は、なりふり構わず「現職の強み」を誇示しようとした。だが、最終的にはバイデン氏が勝利のための選挙人獲得数270人を超える票を勝ち取りそうだ。今後、トランプ陣営は法廷闘争を拡大するが、おそらく無駄な…

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