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「10分だけ」「リスク避けたい」 高齢者施設、面会緩和で分かれる対応

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施設内での面会が再開されたのに伴い、久しぶりの再会を喜ぶ親子=特別養護老人ホーム「かすみの里」提供
施設内での面会が再開されたのに伴い、久しぶりの再会を喜ぶ親子=特別養護老人ホーム「かすみの里」提供

 厚生労働省は10月中旬、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため「一時的に中止すべきだ」としていた高齢者施設での面会制限を緩和する方針を示した。陽性者数の推移が各地で異なることなどを踏まえ、地域ごとに判断できるように見直した。この結果、感染防止対策を講じて面会再開に踏み切る施設がある一方、高齢者の重症化リスクを踏まえて当面再開しない施設もあり、対応は分かれている。【石田奈津子、村田拓也】

許された滞在時間は10分間

 「お母さん、久しぶり」「元気にしてた?」。娘が母親にうれしそうに話しかけた。三重県四日市市の特別養護老人ホーム「かすみの里」。面会を再開したのは11月2日から。入所者の個室で、窓を開けて換気をしながら行う。許される滞在時間は10分だ。

 1月以降の新型コロナの感染拡大に伴い、全国各地の高齢者施設でクラスター(感染者集団)の発生が相次いだ。高齢者が感染すると重症化し、死亡に至る割合は高い。厚労省は2月以降、終末期の「みとり」など緊急時を除き、高齢者施設や医療機関での面会を制限し、テレビ電話などを活用するよう求めてきた。

認知症で「面会中止」自体分からない人も

 かすみの里では、新型コロナの感染者が一時減った6月上旬から1カ月半ほどの間、県内在住者に限り面会を認めるようになったが、市内で感染者が出たことで再び面会ができなくなった。入所者が職員に「最近家族が来なくなったなあ」「元気にしとるのかな」とさみしそうにこぼすこともあったという。認知症の症状で、面会中止の状況を理解していない人もいたという。

 春ごろに比べて新型コロナの重症者が減少していることや、職員が感染防止対策の研修を重ねたことが、2度目となる11月の再開の判断を後押しした。厚労省の制限緩和の方針について、奥田史憲施設長補佐は「(面会再開に)背中を押してもらった」と感じる。久しぶりの対面の様子を見て、「家族だから与えられる心の安心感がある。再開して良かった」と話した。

「今再開しなければ面会中止が1年に及ぶ」インフルエンザ流行を前に

 東京都江東区の社会福祉法人あそか会が運営する特養4施設も、厚労省の面会緩和の通知などを受け、10月26日から再開。面会できなくなった2月以降、オンライン面会などで代替してきた。しかし、家族からの「直接対面で会いたい」との声は根強く、厚労省の通知が出たタイミングで再開に踏み切った。

 面会は予約制で週1回、10~15分程度だ。密にならないよう施設内の多目的広場やホール、会議室などで間仕切り用のパーティションや、アクリル板を設置。飛沫(ひまつ)が飛ばないようにしている。毎日1~2組が利用しているという。これまでも、冬はインフルエンザの流行で面会を制限することがあったといい、担当者は「今の時期に再開しなければ対面で面会ができない期間が1年に及ぶ可能性があり、決断した」と話す。

面会「再制限」は感染状況をにらみながら

 福岡県朝倉市の老人保健施設も今月2日から面会を再開した。同施設は今年2月ごろから緊急事態宣言が解除される5月末までは面会をやめていたが、6月から時間制限を設けた上で復活。しかし、8月中旬に同市内で感染状況が悪化。再度面会を制限した。

 その後、地域での感染状況が落ち着いたことなどから、また再開。面会室は1部屋で、面会に来た家族との間をアクリル板で仕切り、1回10分で1人が面会できる。利用者の家族からは好評で、2週間先まで面会予約が入っているという。同施設では年内にオンラインでの面会ができるようにし、今後も地域の感染状況をにらみながら面会の制限を判断していくという。

面会を当面再開しない施設も

 一方、直接対面する面会は当面再開しない方針の施設もある。…

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