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社説

日本点字制定130年 さらに役割広げる契機に

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 日本語の点字が制定されて今年で130年になる。

 フランスで生まれた点字は、文章だけでなく、数式や楽譜なども表すことができる。日本に伝わると、当時の東京盲啞学校教員・石川倉次によって日本語にあった体系が翻案された。1890(明治23)年11月1日の選定会議で、日本点字が誕生した。

 以来、視覚障害者の生活向上や社会参加に大きな役割を果たしてきた。1925年には、世界で初めて点字投票が認められた。大学入試や資格試験なども点字で受けられるようになった。司法試験や医師国家試験を突破し、活躍している人もいる。

 街中のエレベーターや駅のホームドア、家庭内の洗濯機や温水洗浄便座などの表示でも点字が用いられ、目にする機会が増えた。

 技術の発達により点字の活用は広がっている。データ化され、メールでのやり取りやプリンターによる印刷が可能になった。中途失明者向けに大きなサイズの「L点字」も考案された。

 点字が光をもたらしたのは、視覚障害者だけではない。ハンセン病のため、視覚を失い、指先が使えなくなった人たちは、舌や唇で点字を読み心の支えにした。

 目と耳に障害がある盲ろう者のコミュニケーション手段の一つ「指点字」は日本で生まれ、世界の盲ろう者を孤独から救った。

 点字でできる行政手続きも増えた。内容証明郵便、訴状などでも使用が認められるようになった。

 一方、点字の選挙公報の作成は法制化されておらず、郵便投票は認められていない。

 点字使用者の減少や若手点訳者の不足が指摘されて久しい。しかし、点字の使用状況などに関する国の詳細な調査は2006年以降、行われていない。

 点字を学びたい人は一定数いるが、習得のための環境は十分ではない。国は実態を把握し、課題解決につなげるべきだ。

 近年、ITを通じて多くの情報が音声で入手できるようになった。しかし、点字は、自分のペースで何度でも読み返し、思考を深めることができる。文字としての点字の重要性は変わらない。

 節目の年を点字の役割を広げる契機にしたい。

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