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今よみがえる森鴎外

/20 歌人としての足跡 「自律的な個」模索し続け=歌人・坂井修一

坂井修一さん

 <文化の森 Bunka no mori>

 森鷗外といえば近代を代表する知識人文芸家だが、もともと彼は抒情(じょじょう)詩人としての資質を豊かに持っていた。

 歌人としての彼の足跡は、日露戦争従軍時の作品集である『うた日記』(明治四〇年)、文芸誌『明星』に発表した「一刹那」「舞扇」「潮の音」の連作群(明治四〇~四一年)、『昴』に発表した「我百首」(明治四二年)、そして最晩年の「奈良五十首」(『明星』大正一一年一月)に辿(たど)ることができる。

 特に、「我百首」は、短歌という伝統詩に西洋象徴詩の息を吹き込んだ点で注目される。すでに鷗外は、『於母(おも)影(かげ)』(明治二二年)においてゲーテ、ハイネ、バイロンらの詩を美しい和語に訳し、島崎藤村や薄田泣菫、木下杢太郎らに大きな影響を与えていた。「我百首」は、この流れの延長で、自らの精神生活を五七五七七に綴(つづ)った大作だが、令和の今読んでも新鮮な感性・知性が横溢(おういつ)していて、私な…

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