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工芸の地平から

歴史の今日的活用=外舘和子

津守秀憲「胎動’19-3」

 工芸都市・金沢のイメージが高まっている。10月に開館した国立工芸館、国宝・野々村仁清の雉(きじ)香炉などを所蔵する石川県立美術館、最先端工芸を扱う金沢21世紀美術館が近接し、街全体が歴史と現在を繋(つな)ぐ壮大な“地域美術館”となっている。江戸時代以来、広い視野で工芸に力を入れてきた歴史のある金沢らしい展開だ。

 歴史的コアの一つは加賀藩御細工所である。三代前田利常の頃、御細工奉行が職人(御細工者)を従え始まった同所は、当初鎧(よろい)や甲冑(かっちゅう)などの武具の管理や修理を行っていた。しかし歴代藩主はそれぞれ工夫を凝らし、京都をはじめ藩の外からもリーダーとなり得る優れた技術者を集め、蒔絵(まきえ)、象嵌(ぞうがん)、茜(あかね)染など24種の細工技術が同所で育まれている。さらに御細工者たちは能の役者…

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