全国でも珍しい黒い羽を持つ地鶏が、静岡県で生産されている。旧県中小家畜試験場が約30年前に開発し、「駿河シャモ」と名付けられた静岡生まれの最高級地鶏だ。県内のホテルやレストランなどで提供され、観光客にも親しまれている。その人気の秘密を探ろうと、11月上旬に富士宮市の青木養鶏場を訪ねた。【古川幸奈】
農場は富士山のふもとの高原地帯に5カ所あり、標高500~600メートルの森の中に点在する。そのうちの一つ、上井出特殊農場に入ると、富士山をバックに高床式の鶏舎2棟が並んでいた。広いスペースに放し飼いにされたシャモが真っ黒な羽をバタバタと羽ばたかせながら、活発に動き回る。「この運動量がシコシコとした絶妙な歯ごたえの肉質につながる。鍋に入れると、強いうまみを感じられますよ」。養鶏場の青木広明専務(42)がほほ笑んだ。
駿河シャモは1990年、旧県中小家畜試験場が「黒笹(くろざさ)」と呼ばれる黒い羽のシャモをベースに、比内鶏や名古屋種、土佐九斤などの全国的に評価の高い鶏7種類を掛け合わせて開発した。1平方メートル当たり10羽以下で飼育▽ふ化日から80日以上かけて飼育▽餌に県特産の緑茶を与える――などと飼育の方法が厳しくマニュアルで定められ、「県駿河シャモ振興会」の会員しか生産できない。養鶏場は現在、富士宮市のほ…
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