自民に「30兆円規模」求める声 野党は「年明け解散」警戒 追加経済対策巡る駆け引き

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閣議に臨む(左から)茂木敏充外相、菅義偉首相、麻生太郎副総理兼財務相=首相官邸で2020年11月10日午前8時40分、竹内幹撮影
閣議に臨む(左から)茂木敏充外相、菅義偉首相、麻生太郎副総理兼財務相=首相官邸で2020年11月10日午前8時40分、竹内幹撮影

 菅義偉首相が10日、追加経済対策の策定を指示した背景には、新型コロナウイルスで深刻な打撃を受けた経済の低迷に対する危機感に加え、衆院解散を見据えた政治的な思惑も見え隠れする。政府は対策の具体的な内容を詰め、年内に財源を手当てする2020年度第3次補正予算案を編成する方針だが、与党を中心に歳出拡大圧力は強まっており、追加対策と補正予算の膨張は避けられない情勢だ。

「簡単には打ち切れない」新型コロナ対策の事情

「我が国経済は4、5月の最悪期を脱し、持ち直しの動きが続いているものの、依然、コロナ前の水準を下回っている」。菅首相は10日の閣議で、国内経済はいまだ厳しい状況が続いているとの認識を示し、「ポストコロナに向け、経済の持ち直しの動きを確かなものとし、民需主導の成長軌道に戻していく」ことが追加経済対策の目標だと強調した。

 新型コロナを受け、政府はこれまでに1人10万円の特別定額給付金などを含む2度の補正予算を策定。20年度一般会計予算の規模は既に空前の160兆円超に膨らんだ。臨時のコロナ対策に備えて積んだ予備費がまだ7兆円程度残っているにもかかわらず、政府が新たな対策の策定に踏み切るのは「既に実施した支援策の人気が高く、簡単には打ち切れない」(政権幹部)事情がある。

「GoToトラベル」で客足戻った実感

 「あの政策のお陰で明らかに潮目が変わった」。11月上旬、合格祈願で知られる太宰府天満宮(福岡県太宰府市)。平日にもかかわらず、若者や修学旅行生であふれる参道を眺めながら、和菓子店を営む男性は目を細めた。

 中国や韓国から近い福岡は訪日外国人に人気の旅行先の一つだったが、国内感染が拡大し始めた2月ごろから訪日客の姿が消えた。4月の緊急事態宣言後は国内客も激減し、太宰府天満宮周辺も「人が誰もいない、ゴーストタウン状態だった」という。

 状況が一変したのは、…

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