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余録

日本に種痘が普及したのは幕末…

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 日本に種痘(しゅとう)が普及したのは幕末、長崎・出島の医師モーニケから痘(とう)苗(びょう)が佐賀藩の藩医に渡されたのがきっかけという。だが日本最初の種痘はその25年前、今の北海道の松前で中川五郎治(なかがわごろうじ)という人物により施された▲択捉(えとろふ)島の役人だった五郎治はロシアに拉致(らち)され、5年間の抑留中に種痘を知る。種痘書を携えての帰国後、天然痘の流行の際に武士や町人の依頼に応じて種痘を施した。だが、五郎治はそれを秘法扱いしたため広く普及はしなかった▲蝦夷(えぞ)地では天然痘の免疫のないアイヌが和人とロシア人からの感染で人口を激減させていた。種痘の広まった幕末、幕府は医師を派遣、アイヌに半ば強制的に種痘を施すことになる。感染症との闘いでも、独自の歴史のある北海道だ▲新型コロナの感染が急拡大する北海道で、1日の新規感染者数がおととい過去最多の200人となった。道はすでに独自の警戒ステージを引き上げ、札幌市の一部飲食店の営業時間短縮を要請したが、感染は道内各地に広がっている▲冬の乾燥は微細な飛沫(ひまつ)によるエアロゾル感染のリスクを高めるという。他の地域の人々にも、明日はわが身と思わせる寒冷地の感染拡大である。政府分科会の専門家は全国的な感染の広がりを警告し、感染対策の強化を緊急提言した▲海外からは欧米での感染の拡大とともに、ワクチンの実用化近しを思わせる治験結果も伝わってきた。不安と希望の交錯する北半球の冬、感染症との闘いを通した土地の歴史を改めて振り返るのもいい。

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