「でんぷん」で挑む海洋プラスチック問題 微生物を味方に 阪大グループ

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
宇山浩・大阪大大学院教授らが開発した、海水中で分解されるプラスチック。袋状や棒状に加工もできる=大阪市北区で2020年11月9日午後1時56分、松本光樹撮影
宇山浩・大阪大大学院教授らが開発した、海水中で分解されるプラスチック。袋状や棒状に加工もできる=大阪市北区で2020年11月9日午後1時56分、松本光樹撮影

 使用済みのペットボトルやポリ袋、ストローなどが海に流れ出し、環境や生物を脅かしている「海洋プラスチック」問題。この世界的な課題を解決しようと、大阪大大学院工学研究科の宇山浩教授(高分子材料化学)のグループが約30の企業などと連携し、海中で溶けて自然に返るプラスチックの開発に取り組んでいる。実用化の鍵を握るのは、イモなどに含まれ、我々が日常的に食べている「でんぷん」だ。

 環境省などによると、世界では年間約4億トンのプラスチックが生産されており、そのうち約800万トンが海に流出している。ほとんどが半永久的に分解されずに環境中に残るが、海底がヘドロ化したり、打ち上げられたクジラや海鳥の消化器から大量のプラスチックごみが見つかったりするなど、深刻な影響が出ている。

この記事は有料記事です。

残り827文字(全文1160文字)

あわせて読みたい

ニュース特集