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伊丹市昆虫館むしばなし

伊丹市昆虫館のスタッフが虫たちが教えてくれるさまざまな話題を取り上げます。

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伊丹市昆虫館むしばなし

/8 おかずになるイモムシ 草の香りと出汁の味わい /兵庫

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食用昆虫の採集者のキャンプ。採集地に1~3週間ほど泊まり込み、採集と加工をおこなう=南アフリカで、伊丹市昆虫館提供
食用昆虫の採集者のキャンプ。採集地に1~3週間ほど泊まり込み、採集と加工をおこなう=南アフリカで、伊丹市昆虫館提供

 <いたこん>

 近年、昆虫食の記事やニュースを目にする機会が増えました。新しい食材として注目されていますが、長野県などで現在も食べられているイナゴやハチの子のように、伝統的な昆虫食もまだまだ健在です。世界に目を向けても、それぞれの土地でみられる昆虫を収穫し、おいしく食べている人々がいます。

 その一例として、アフリカ大陸の南部で食べられている「モパニワーム」と呼ばれるイモムシを紹介します。モパニワームとはモパニというマメ科の木につくガの幼虫のことです。これには何種かいますが、よく食べられ、都市部でも流通しているのはヤママユガ科の一種の幼虫です。ボツワナ、ジンバブエ、南アフリカなどにあるモパニの木が分布する地域では都市部でも食べられていますが、それ以外では食べられていない地域の食材と言えるでしょう。

 モパニワームは南半球の夏場の12~3月ごろにかけて年に2回発生し、10センチほどに成長した幼虫が食用として採集されます。採集したモパニワームはそのまま食べるわけではなく、保存のためにその場で加工されます。指で幼虫のお尻から腸をしごき出し、塩ゆでしたあとに天日で干し、「干しモパニワーム」ができます。これは常温で5、6カ月は保存ができ、商品としてもときには国を超えて流通し、販売されます。

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