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飼育が簡単なことなど研究者が実験に用いやすいのが特徴の「モデル生物」。ショウジョウバエやマウスが知られるが、生物学が遺伝子レベルで発展する中、異なる種の開拓が進んでいる。新たなモデル生物の力を借りて、生物の進化の謎に迫るのが狙いだ。
モデル生物は生物学の研究に広く使われ、飼育や繁殖が容易▽観察しやすい▽遺伝情報が整備されている――などが特徴だ。大腸菌や線虫、ショウジョウバエ、マウスの他、植物ではシロイヌナズナなどがある。研究成果の蓄積が豊富なため、新たな研究をした場合にさまざまな情報共有や多角的な分析が可能になる。特にショウジョウバエは世代交代が早い上、染色体の数が8本と他の生物に比べ少なく研究しやすいことなどが重宝され、遺伝学や発生学の発展に大きな役割を果たしてきた。
2017年のノーベル医学生理学賞は、ショウジョウバエを使った研究で、生物の体内時計をコントロールする「時計遺伝子」とそのメカニズムを発見した科学者3人に贈られた。体内時計を巡っては、哺乳類にも同様の遺伝子があることが分かっている。このようにモデル生物の研究を通じて、人間を含む多くの生物に共通する仕組みが解き明かされてきた。
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