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毎日新聞

ジャパンオープンで初優勝した前田マヒナ=千葉県一宮町の釣ケ崎海岸で、©JAPAN OPEN OF SURFING

Passion

ハワイ出身の「逆輸入サーファー」 東京オリンピック日本代表を狙う前田マヒナ

 サーフィン発祥の地とされるハワイで生まれ育ち、「逆輸入サーファー」として注目を集める女子選手がいる。ハワイ選手として国際大会を制した実績を持つ前田マヒナ(22)。両親は日本人で、「自分のルーツは日本」と東京オリンピックで日の丸を背負い波に乗る姿をイメージする。

優勝カップを手にする前田マヒナ(右)と男子の大原洋人=千葉県一宮町の釣ケ崎海岸で、©JAPAN OPEN OF SURFING

 オアフ島出身。4歳でサーフィンに出合い、世界中のサーファーが集う「ノースショア」で腕を磨いた。ハワイで月を意味する「マヒナ」と名付けられた当時15歳の少女は2013年、世界ジュニア選手権などで優勝し輝きを放った。

 サーフィンが16年に東京五輪の新競技に決まると、「スポーツの最も大きな大会に出場したい」と興味を抱いた。同時に自らのルーツを考えるきっかけにもなり、日本への登録変更を決意した。

 大きな波が立つ本場で鍛えたパワーは日本女子では随一だ。強じんでバネのある足腰から繰り出すターンは男子選手にも見劣りしない。ただ、ハワイと比べ小ぶりな日本の波に苦戦する場面も目立った。課題解消のため、19年2月には五輪会場の千葉県一宮町に拠点を移した。

明るく、前向きな性格

 五輪最終予選を兼ねる来年5月のワールドゲームズ(WG)の選考会「ジャパンオープン」(10月31日~11月3日)では、波の状態に関係なく序盤から力強いターンを存分に見せつけた。決勝までの4試合をすべてトップ通過。「一番大切なのはリズムに乗ること」。決勝も開始早々の1本目で5点台をマーク。上位2本の合計点を伸ばし、初優勝した。WG代表の残り1枠に滑り込んだ。

 明るく、前向きな性格も味方した。新型コロナウイルスの感染拡大で2月には遠征先のオーストラリアから、いったんハワイに戻った。WG選考会出場のため、10月初旬に来日して2週間の隔離生活を余儀なくされたが、「エクササイズとメンタルトレーニングを合わせて準備しました」と逆境をはね返した。

 五輪出場にはWGで7位以内に入った上で、前田を含め3人が出場する日本選手の中で上位2人に残ることが条件だ。WGへの抱負を聞かれると、「侍のように気合を入れて戦う。五輪にクオリファイ(出場)したい」。時折、英語を交えながらも日本選手としてのプライドをのぞかせた。【村上正】

村上正

毎日新聞東京本社運動部。1984年、神戸市生まれ。2007年入社。舞鶴支局、神戸支局を経て、大阪本社社会部では大阪府警を担当。17年4月から現職。競技は水泳やサーフィンを担当。東京パラリンピックでは取材班キャップ。16年リオデジャネイロ五輪を取材した感動から、長女に「リオ」と命名した。