毎日新聞
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「女・男の気持ち」(2020年11月5~11日、東京・大阪・西部3本社版計15本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版11月6日掲載の投稿です。
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<今週の気持ち>
誕生日を祝う 横浜市港南区・古谷あい子さん(主婦・69歳)
今年の思いもよらぬコロナ禍の中、さっぱりしない気分が続いている。毎年恒例のクラス会も友達とのランチ会も中止になった。
気分転換も必要とGo Toキャンペーンを利用して、近場のホテルの、その名も「おこもり記念日宿泊プラン」を予約。密を避け夕食はルームサービス、記念日は私の誕生日に設定した。
私の実家は料亭で、おかみだった母は商いに忙しく、子守さんが付く幼少期だったため家族で誕生日を祝った思い出などない。小学生のころ、友達の誕生会に呼ばれた帰り道は、うらやましくていつも落ち込んでいた。
私にとって誕生日は、書類に書く数字が一つ増える日くらいの感覚だったが、子育てや義父母との同居を卒業し、誕生日を初めて自分自身で祝う気持ちになったのも、コロナ禍の日常で心境が変化したからなのだろう。
自粛にも飽きていた夫は、同行を快諾。横浜の港の夜景を見ながら、人目を気にせず部屋での夕食を堪能。家事の心配もなくゆったり流れる時間に、やっとここまで来られたのだとの思いが湧き上がってきた。
幼いころ、大おかみの祖母が「禍福はあざなえる縄のごとし」と口に出して言っているのをよく聞いていた。今、その言葉をかみしめている。
良いことも悪いことも長くは続かない。順番でいけば来年は福が来ると信じている。
◆ ◆
<担当記者より>
担当記者の身近に、誕生日が嫌いな女性がいます。「年を取るのはもう嫌。誕生日が来てもうれしくないから祝わないで」と言われました。年を重ねることをネガティブにとらえすぎているようで、少し寂しい気がしています。
「子どものころは祝ってもらえなかったから」と話した古谷さん。ホテルのおこもりプランを利用してご自身の誕生日を祝ったアイデアは、すてきだと思いました。新しい日常生活の中でも誕生日を迎えられたことを喜び、「この1年頑張ったね、自分」とねぎらうことができればいいなと感じました。いつか、まねしてみたいものです。
そして文末に書かれていた通り、来年は良いことがあるといいですね(少し早いですが……)。みなさんからのコメントもお待ちしています。コメントはこちらからどうぞ。
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