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ハンドボールのIoT化を進める。ジークスター東京×フューチャーの新たな挑戦

情報提供:アズリーナ

17年ぶりに東京都に本拠地を置き今シーズンから日本ハンドボールリーグに参戦する「ジークスター東京」。2020年1月に設立されたフューチャー株式会社傘下のジークスタースポーツエンターテインメント株式会社が、前身の「東京トライスターズ」のチーム運営を引き受け、新体制のもとで新たな一歩を歩み始めました。

フューチャーグループは、ITコンサルティング事業とビジネスイノベーション事業の2軸でビジネスを展開し、様々な分野でテクノロジーをベースとした新しいサービスを提供しています。同社は現在、最新技術と創造的思考により「IT×Sports」から生まれる新しいビジネスモデルの構築に挑戦し、“私たちにしかできないスポーツエンターテインメント”を探求しています。

お互いが企業のトップでありハンドボール競技の経験者でもあるフューチャー株式会社代表取締役会長兼社長 グループCEOの金丸恭文(かねまる やすふみ)氏と、 ジークスタースポーツエンターテインメント株式会社 代表取締役社長の大賀智也(おおが ともや)氏に、ハンドボールの魅力や競技の可能性について話を聞きました。

(聞き手:竹中玲央奈、小泉真也)

 

“マイナースポーツ”思考から脱却し魅力を最大限に

金丸:ハンドボールは、実際に競技するスポーツとしても、また観戦するスポーツとしても魅力に溢れています。ハンドボール競技には、スポーツ学的に運動の基本とされる「走る・跳ぶ・投げる」の3要素が全て詰め込まれています。スポーツの基礎を身に着け、バランス良く運動能力を高めることができるので、身体機能が発達途上の子どもたちにとって最適であると考えます。また、バスケットボールやバレーボールのように必ずしも高身長であることが要求されない点も、比較的日本人に向いていると思います。

 

ハンドボールを観戦する人にとっての見どころは、スピードと空間を大きく使うダイナミックさ。高いジャンプをしてシュートを打ちますし、空中でパスもします。大型選手の間を瞬時に抜けてコースをつくシュートもあり、一瞬も目が離せないスピーディーな展開が、最大の魅力です。1試合30分ハーフの前後半でディフェンスとオフェンスによる攻防があって、1チームの平均得点が20点〜30点前後の勝負なので、“適度に”ゴールシーンがあることも、初心者でも楽しみやすく、ほど良い緊張感で盛り上がることができる要素だと思います。

 

私がハンドボールと出会ったのは、高校生の時です。入学後、部活動を選択する際に友人に誘われてハンドボール部の見学に行ったことがきっかけでした。もともと野球をしていたので「ボールを投げるのは簡単だろう」と高を括っていましたが、いざやってみるとジャンプしながら投げることが難しくて。悔しくて、そこからのめり込んでいきました。

 

大賀:私も、高校時代にハンドボール部に所属していました。私も全く同じで、中学まで野球部だったので同じ感覚でボールを投げられると思っていたのですが、ボールの大きさはもちろん、使う身体の機能もかなり違うのでなかなかバランスよく投げられず苦労したのを覚えています。

 

金丸:私はハンドボール競技を通じて、身体を鍛える以外にも多くの事を学びました。私が通っていた鹿児島県立甲南高校は進学校ということもあり、ハンドボール部はそれほど強くはなく全員がほぼ初心者で、試合ができるかできないかというくらいの部員数しかいませんでした。それでも他の部から助っ人メンバーを必死で集めてフォーメーションや戦略を考え、相手チームや戦い方を徹底的に分析した結果、強豪校と言われていた鹿児島工業高校に勝利することができたんです。

「メンバーの潜在能力を引き出し、的確な分析をしてチーム戦略を工夫すれば、困難を乗り越え成果が得られる」といった会社経営にも通じることをハンドボールから学びましたね。だからこそ、フューチャーグループの技術力と創造的思考で「IT×スポーツ」という新たな付加価値を生み出し、ハンドボール界に貢献していきたいという思いは強いですね。

 

大賀: フューチャーに入社して数年後、東京都ハンドボール協会の要職に就いていた金丸が、私がハンドボール競技経験者であることを知ったのをきっかけに、試合を観に行く機会が増えましたが、当時は会場の規模が小さく観客もまばらでした。

金丸恭文 フューチャー株式会社代表取締役会長兼社長 グループCEO

 

金丸:残念ながら、気軽に試合を観に行ける場所自体が少ないのが現状です。全国に体育館はたくさんありますが、観戦料をとって集客するというモデルは構築されていません。日本の公的な体育施設の多くは、民間利用が主な目的で、観戦を目的とした顧客志向ではありませんよね。特に首都圏は地価が高く、スポーツ興行に合わせた体育施設の運営自体が大変です。多種多様なスポーツを産業化するための環境が、日本ではまだまだ整っていないと痛感しています。

 

日本ハンドボールリーグの仕組みも、変わっていく必要があると思います。サッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグは、企業チームから地域リーグへと変貌を遂げたことで、地域に根付いたスポーツとして発展しました。ハンドボールはまだ企業チームがほとんどなので、過去の事例を参考にトップがリーダーシップをとって抜本的に変えていくべきだと感じています。

 

ヨーロッパでは非常に人気の高いプロスポーツの一つとして確立しているわけですから、「マイナースポーツだ」と自分たちで言っている状況から脱却し、魅力を最大化させるためにハンドボール界全体が進化しなければいけないと思います。そのためにも、ジークスター東京には、強くて地域に愛される人気チームとして成長し続け、ハンドボール界の底上げに寄与できる存在になって欲しいと願っています。

大賀智也 ジークスタースポーツエンターテインメント株式会社 代表取締役社長

 

ITの力で、ハンドボール界に改革を

金丸:フューチャーが「IT×スポーツ」の分野で注力しているのは、多角的視点から集約したデータの活用です。チーム強化や戦略面にどのようにデータを活用していくのか、また、ハンドボールを楽しく見せる演出に収集・分析した数値を効果的に活用するにはどうしたらよいのか、などの課題をIoTで解決しようとする取り組みです。

 

フューチャーのグループ会社であるライブリッツ株式会社は、データ分析システムによるチーム強化や戦略立案支援での実績があります。例えば、福岡ソフトバンクホークスをはじめとするプロ野球団にAIを使った選手トラッキングシステムを提供したり、NPB(日本野球機構)と開発したプロ野球公式データ利活用プラットフォームを展開したりしています。

チームによって、戦略が異なります。同時に、「何を数値化して見るか」も変わってくるので、それぞれ全く違う視点で、0から仕組みを作り上げています。例えばソフトバンクホークスの場合は、球種にこだわることを重視しています。一球ごとのデータを緻密に映像と数値に落とし込んで、勝利に役立てていただいています。

 

ハンドボールでもこのような実績にもとづく知見を活かし、IoT化を進めていこうと考えています。ハンドボールは、選手同士や選手とボールとの間の空間把握、シュートコースや距離感が、特に重要な要素の一つです。試合会場に設置するカメラとセンサー、選手が装着するセンサーによって、選手とボールの動きによるスペースの移動をデータ化して解析を進めています。肉眼では、動きやスペースなど全てを俯瞰して分析することは難しいです。

分析システムでは、「相手や自分がこういう動きをしたら、次はあそこのスペースが空く」などといった“感覚”で補われてきた部分を数値として見える化し、選手が自身のプレーを客観的に振り返ることができるようにします。そうすると、プレーの反省と改善のサイクルが可視化されもっと早くレベルアップできるようになりますよね。

 

また、IoT化は、チームの勝利への貢献はもとより、“興行として魅せるスポーツ“にするためにも不可欠だと感じています。データを連携させることによって、いろいろなデバイスやプラットフォームとハンドボールをコンテンツ化し、組み合わせることができます。例えば試合のライブ配信と音楽、体育教育とプログラミングをセットにすることもできます。ハンドボールをもともと知っている人だけでは市場規模が小さいので、未経験者やまだ魅力を知らない人たちも取り込んでいけるよう複合的な視点での企画や仕掛けが必要だと思います。具体的な戦略はまだですが、今後チャレンジしていきたいと考えています。

 

試合会場のエンターテインメント化も今後取り組むべき課題として考えています。日本ハンドボールリーグの試合運営全体にも関わる部分ですが、演出面には改善の余地がある点が多いですね。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響によって、観戦の楽しみ方が大きく変化しました。リアル会場での演出に加え、オンライン向けの施策など、試合前後の時間も楽しめる仕掛けを作っていけたらと思っています。

コンテンツとしては、練習映像のオンライン公開や、ハンドボール経験者による解説付きの試合動画のライブ配信などの実運用をすでに始めています。こうした取り組みの幅をさらに広げ、充実させていきたいですね。

 

効率的な投資で、自由に強みを発揮

金丸:私が東京都ハンドボール協会の会長を務めていることもあり、以前から当社には「東京都にハンドボールチームを作って欲しい」という打診が何度かありました。そんな中、東京トライスターズ(現 ジークスター東京)の経営環境が変わり、タイミングも重なりチームと運営を引き受け支援するということで合意し、「ジークスター東京」は実業団チームではなく地域クラブとして再スタートをきりました。

 

ジークスター東京を支援しようと考えた理由としては、大きく2つあります。

一つ目は、チームの実績に可能性を感じたことです。当社が関わる前の2018年4月に創設した前身のチームは、同年に行われた日本選手権ですでにベスト8入りを果たしています。“若い伸びしろのあるチーム”を当社の傘下として多角的にサポートすることにより、もっと上を目指せると感じました。

二つ目は、効率的な投資でまだ興行化されていないスポーツを支援し、新たなスポーツエンターテインメントの創出に貢献できると感じた点です。私たちは2人ともハンドボール経験者なのでその魅力を熟知していますが、ハンドボールは一般的に認知度が低い競技だという共通認識を持っています。スポンサードにおける自社の広告宣伝効果という側面で考えると、ハンドボール支援をする企業は少ないでしょう。経営者としては合理的な判断だと思います。

 

私は逆に、まだ日本のスポーツ市場としては成熟していない状態だからこそ、自由に競技データを活用した革新的なスポーツエンターテインメントを創出することができると考えます。なおかつそれを莫大な投資ではなく、自社のテクノロジーやノウハウを自由度が高くフルに活かしながら、効率的な投資の範囲で行なえる、これらを考慮するとハンドボール界に今のフェーズで参入することにはメリットがあると考えました。

 

2020-2021年の今シーズンからいよいよ新体制でスタートしようという状況の中、新型コロナウイルスの影響でハンドボールリーグだけでなく多くのプロスポーツが制限や規制された中での試合運営となっていることは残念です。それでも、リーグ開幕以降、応援してくださるファンも少しずつ増え、参入初年度からの上位進出を目指し戦い続けています。新参者ですから、失うものはありません。

 

フューチャーとしては、グループのテクノロジーを駆使したチーム強化を行うとともに、IoTによる新しいスポーツの楽しみ方やファンサービスを展開し、チームの勝利とハンドボール界の発展に尽力していきますので、ぜひご注目ください。


情報提供:アズリーナ

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