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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相が任命しなかった。極めて異例の事態の背景や問題点を追います。

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「透明性高めてきた」「世界のアカデミーの懸念事項」 学術会議会見詳報

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記者会見する日本学術会議の梶田隆章会長=東京都港区の日本学術会議で2020年11月12日午後4時37分、岩崎歩撮影
記者会見する日本学術会議の梶田隆章会長=東京都港区の日本学術会議で2020年11月12日午後4時37分、岩崎歩撮影

 日本学術会議の梶田隆章会長は12日に記者会見し、菅義偉首相が学術会議の会員選出方法などを「閉鎖的で既得権益」と批判したことについて、「可能な限り透明性を高めて、学術会議の会員構成をいいものにしていこうと今までやってきた」と反論した。菅首相が任命を拒否した新会員候補6人についても、選出方法について定めた日本学術会議法に基づき任命するよう改めて求めた。任命拒否問題に関連して開いた記者会見は、10月29日に続いて2回目。学術会議側は会員の年齢、性別の構成や所属大学などのデータを示して現状を説明した。詳報は以下の通り。【科学環境部 岩崎歩、柳楽未来】

梶田会長「6人の任命を引き続き求めていく」

 梶田会長 前回の記者会見で、会員任命問題に端を発した学術会議に関するさまざまな議論がなされる中にあって、学術会議として正確な情報を発信しておくべきだとの重要性を感じ、いろいろな情報を提供させていただいた。その後、国会でも学術会議のことが議論されてきたが、これらの議論をお聞きして改めてさらなる情報発信が必要だと感じた。そこで、本日の記者会見では追加の情報を発信させていただく。

 なお、任命問題については学術会議としての考えは変わっていないので、新たに話す内容はない。これまでお願いしてきた2点の要望を引き続き求めていく。

 学術会議は科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ることを独立して行うこととされており、我々も社会や国から学術会議に寄せられている期待を果たすべく努力をしている。本日は、そもそも学術会議の役割は何かについて、国民の皆様にもう一度知っていただくために資料(※)を用意した。

 ※記者会見で配布された資料

40代の会員3%「若手の参加が本当に望ましいか、きちんと考える必要ある」

 科学に関する重要事項を審議して実現を図ることは、学術会議の重要な役割だ。提言などの形で国や社会に発信しているが、これらの活動を行っても、いわゆる研究者としての研究業績としては評価されない場合がほとんどだ。このため、特に若い研究者に学術会議に参加して活動をお願いすることが、本当に望ましいことなのかはきちんと考える必要がある。

 実際、私も40歳くらいまでは全ての時間を使って研究に没頭し、そのかいあって(2015年のノーベル物理学賞受賞につながる)ニュートリノ振動という現象を発見することができた。さらに、40代でも基本的には自分のニュートリノ研究が中心だった。これは一例だが、多くの方に共通することと思う。そして、日本学術会議法では、会員になるためには、優れた研究または業績がある科学者であることが要請されているので、会員の年齢構成は自由に決められるわけではない。このような点をご理…

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【学術会議任命拒否】

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