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松喬日和

廃墟寸前の隣家 うまくいきかけた算段が絵に描いた餅に…さてどうする?

 上方落語に「算段の平兵衛」という噺(はなし)があります。どこの町内でもさまざまな問題を抱えています。江戸時代に限らず、令和の現代でも同じです。表立って言えること、言えないこと。隣町に自慢したいこともあれば、聞かれたくないこともある。どこの町内も仲良く見えて、もめ事が付き物です。この噺の主人公・平兵衛は地域のもめ事解決人。ただ、もめ事を抱え過ぎて身動きが取れなくなり、「どこぞに算段のうまいやつはおらんやろか」とサゲになります。

 今回はこの「算段の平兵衛」を地でいく話です。全て実話ですのでイニシャルトークが多くなりますが、ご勘弁ください。こちらの主役は、算段のNさん。師匠の代からお世話になっている無類の落語好きで、大阪から車で3時間の所にある風光明媚(めいび)なO町にお住まいです。O町も過疎化が進み、空き家が多くなりました。現在、我が国の「空き家問題」は深刻で7軒に1軒が空き家だそうです。Nさんのお隣も昔は親子3代、笑い声が絶えない家でした。

 しかし、おじいさんの他界から負の連鎖が始まります。婿養子の旦那が隣町にできたフィリピンパブに入り浸り、無断欠勤で会社はクビ。ついに夫婦は離婚し、旦那はフィリピンに行ったとのうわさも。一方、妻は母親と一人を連れて母親の実家に移り住みました。それが20年前というのですから、隣の家は長年の風と雨で瓦がずれ始め、窓ガラスが割れ、廃虚寸前。大きな台風が来れば大変です。そこで算段のNさんは動きました。

 知り合いの工務店に働きかけ、出来上がった算段が次の通りです。隣…

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