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時事ウオッチ

関西の大学で教壇に立つ気鋭の研究者4人が交代で時事問題について執筆します。

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デトロイトに芽吹く共助=松永桂子

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 11月に入り、大阪都構想を巡る住民投票、米大統領選と接戦が続いた。一つはわれわれに身近な地域、もう一つはアメリカの選択だが、ローカルとグローバルと次元の異なる接戦の中にも共通項が見える。産業の衰退から地域をどう浮上させるかという問題だ。

 前回に続き今回もトランプ大統領が選挙戦最後の演説に立ったのがラストベルト(さびついた工業地帯)の激戦地ミシガン州だった。4年前の選挙戦の最中、私は同州最大の都市デトロイトを訪れていた。都市研究の第一人者で龍谷大の矢作弘先生に同行し、産業都市衰退の現場を歩いた。

 ラストベルトの象徴とされるデトロイト。ビッグ3に代表される自動車産業や鉄鋼業で栄えたが、グローバル競争で生産力がそがれ、工場は相次いで閉鎖、産業が空洞化し雇用は低迷した。1950年代に180万人だった人口は現在68万人ほどで、これだけ人口減を経験した都市は他に類をみない。2013年、デトロイトは連邦破産法の適用を申請して事実上、財政破綻した。負債総額は180億ドルを超え、米国自治体の破綻としては…

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