<女性編①>リモート「裏」ではおもちゃ散乱 「いいね」30万件から浮かぶ働く女性のリアル

「2020年最高のツイート」「うちもこんな感じ」--。ツイッターの投稿への反応を知らせる通知が止まらない。米国の首都ワシントンに暮らす科学者で2児の母親、グレッチェン・ゴールドマンさん(36)は、自身の書き込みに広がった共感の輪に胸が熱くなった。
ゴールドマンさんは9月、「正直に言うと」という短文を添えて2枚の写真を投稿した。1枚はCNNのニュース番組に気候変動の専門家として自宅からリモート出演した際のテレビ画面、もう1枚はその「舞台裏」を夫が撮影したものだ。
仕事着の黄色いジャケット姿でノートパソコンに向き合うゴールドマンさんのテレビに映らない下半身は、ランニング用の短いパンツ。パソコンのカメラを顔の高さに合わせるため、背の低いテーブルの上に椅子を置き、部屋の床には子供たちのおもちゃがあちこちに散らかっていた。
新型コロナウイルスの流行で在宅勤務を強いられた子育てママのリアルな姿は、言語を超えて反響を呼んだ。「家で働く子育て中の親はいま困難な状況に置かれています。特に母親たちにとってはキャリア全体を狂わせかねない状況だと訴えたかった」。ゴールドマンさんは、取材にそう語った。寄せられた「いいね」の数は30万件以上。予想外だったのは、大部分が肯定的な反応で、同じような自室の様子を投稿する女性たちもいたことだ。「多くの人が同じように大変な状況だと知ることで救われたのかもしれない」
環境工学の博士号をもつゴールドマンさんは、ノーベル賞受賞者を含む科学者たちでつくる非営利組織「憂慮する科学者同盟」でリサーチディレクターを務めている。コロナ禍で在宅勤務を続けて半年近くがたった。感染を防ぐために2歳と4歳の子供たちを保育園に預ける機会は減り、仕事に充てる時間は大きく削られた。在宅で働く研究者の夫とは家事、育児をほぼ均等に分業しているが、当初、集中して働くことができたのは「子供たちを寝かしつけた後の数時間」しかなかったという。「新しい生活で時間はこれまで以上に貴重になりました」
アカデミアにそびえる「母親の壁」
米国では科学、技術、工学、数学の頭文字をとった「STEM」と総称される分野で研究・教育職に就く女性の4割以上が、第1子の出産後にフルタイム勤務を諦める現実がある。学術界に損失をもたらす「母親の壁」は長年の課…
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