いつになれば、敗北宣言が出るのだろう。異例中の異例となった今年の米大統領選挙は、スッキリしない状態が続く。トランプ大統領は法廷闘争を諦めていない。当確を報じた米メディアには日本のネット民からも批判の声が上がる異様さである。
民主主義のお手本といわれるアメリカだが、今年の選挙戦のすさまじさには世界中の注目が集まった。米国民の対立の激しさに接し、不安や失望を感じたという日本人も多いと聞く。それでも、実に多様な人々が身を寄せ合うアメリカで、230年以上も前の成文憲法の下、修正を加えながら民主主義を実験し続ける「雄姿」は健在だと指摘しておきたい。少なくとも独裁国家とは違い、恥も苦悩も対立もさらけ出しながらの民主的な葛藤のプロセスである。
今回の選挙の主役であり、7100万票を超える支持票を得たトランプ氏。各地での法廷闘争に訴える手段は、過去の候補者たちが紳士的な決着を優先したのとは明らかに違う。共和党の重鎮ミッチ・マコネル上院院内総務も、大統領には訴訟する権利があると言う。マコネル氏の場合は、ジョージア州で来年1月に行われる上院議員選挙の決選投票をにらんでの戦略という側面もあろう。
この記事は有料記事です。
残り1217文字(全文1712文字)
毎時01分更新
◇「最悪想定」軽視 医療崩壊招く コロナ禍にあえぐこの国は…
南米ブラジル北部アマゾナス州で新型コロナウイルス流行の「第…
米国の新型宇宙船「クルードラゴン」で2020年11月に国際…