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社説

米国のパリ協定復帰 信頼回復し主導的役割を

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 米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン氏は、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」に復帰することを表明している。

 米国は今月、協定から正式に離脱した。復帰は、トランプ政権下での「失われた4年間」を取り戻す出発点となる。

 温暖化対策はバイデン氏の主要政策の一つだ。温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにするとの目標を掲げ、実現に向けて4年間で2兆ドル(約210兆円)を投資するという。

 パリ協定には190以上の国・地域が参加する。産業革命以降の気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えるため、全ての国が努力することが求められている。

 世界2位の排出国である米国が野心的な目標を掲げて気候危機に取り組む姿勢を示すことは、各国の機運を高めるだろう。

 最大の排出国である中国も「60年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにする」という目標を9月に公表した。ようやく、2大排出国の足並みがそろう。

 日本では菅義偉首相が「50年までに実質ゼロ」を表明した。対策に熱心な欧州に加えて米中が取り組みを本格化させる。日本も実効性ある政策を着実に進めていくべきだ。

 バイデン氏は、電力分野の排出量を35年までにゼロにする目標も打ち出している。風力や太陽光などのクリーンエネルギーをどれだけ増やせるかが鍵となる。

 だが、米国は世界最大の産油国だ。地層中の石油や天然ガスを取り出す技術で「シェール革命」を起こした。恩恵は幅広い産業に広がり、転換は容易ではない。

 このため、政策主導で電気自動車を普及させ、自動車産業の改革を支えるとも表明している。実現に向け、より具体的なプランを構築する必要がある。

 トランプ大統領は就任後、自動車排ガス規制など従来の環境規制を次々と緩和してきた。「環境対策に後ろ向きな国」との国際社会の不信を拭うことが、新政権に課せられた最初の使命だ。

 「米国を再び世界から尊敬される国にする」と、バイデン氏は勝利宣言で述べた。人類の未来を見据え、科学に基づいて温暖化対策を主導する態勢作りが急務だ。

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