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坂田藤十郎さん死去 上方歌舞伎の華 曽根崎お初1400回

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 亡くなった坂田藤十郎さんは、義太夫の素養に裏打ちされた明瞭なセリフと、口癖であった「一生青春」を体現する若さと美しさを兼ね備えた、華のある俳優であった。

 上方歌舞伎の名門、中村鴈治郎家の跡取りに生まれ、演劇評論家、武智鉄二の「武智歌舞伎(関西実験劇場)」に参加し、文楽の竹本綱太夫、能楽シテ方金春流の桜間道雄ら名人に師事して技芸を吸収。大役を次々と演じ、上方歌舞伎が衰退期にあった中で、女形として注目を集め、10代でスターとなった。

 1953年に、東京・新橋演舞場で「曽根崎心中」(近松門左衛門原作、宇野信夫脚色)のヒロインお初を父の二世鴈治郎の徳兵衛で初演。心中に向かう際に花道で女形のお初が立ち役の徳兵衛より先に立って手を引くという従来の女形にはなかった情熱的な演技も話題となり、熱狂をもって迎えられた。お初は生涯のあたり役となり、2015年6月の博多座公演で1400回を記録した。

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