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歌舞伎 11月国立劇場歌舞伎公演 吉右衛門が印象的な視線=評・小玉祥子

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吉右衛門の俊寛=国立劇場提供
吉右衛門の俊寛=国立劇場提供

 見応えある作品が並ぶ。

 一部が「平家女護島(へいけにょごのしま)―俊寛―」(国立劇場文芸研究会補綴(ほてつ))。序幕が「六波羅清盛館」。平清盛(吉右衛門)は、謀議が露見して流罪となった俊寛の妻東屋(菊之助)に心奪われる。菊之助がやつれた中にも毅然(きぜん)とした強さと夫への思いを表現。吉右衛門が権力者の専横ぶり、歌六の教経は筋を通そうとする剛直さを示した。歌昇の有王丸、種之助の菊王丸に勢いがある。

 続いて「鬼界ケ島」。吉右衛門が心境の変化を活写し、俊寛という人物を浮かび上がらせる。東屋の死を知り、瀬尾(又五郎)に切りかかるところでは、憎む相手が瀬尾の背後にいる清盛であることがはっきりとわかった。岩に登り、赦免船の出航を見送る際の、何かを追うように視線をゆっくりと上に動かしての幕切れが印象的だ。雀右衛門の千鳥がいちずでけなげ。錦之助の成経が千鳥への思いを感じさせ、菊之助の丹左衛門がさっそうと…

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