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犬が西向きゃ

国際報道に優れたジャーナリストに贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した、高尾具成編集委員のコラム。

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犬が西向きゃ

玄奘三蔵の問い=高尾具成

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 21世紀に入ってもう20年になる。そんな当たり前を先日、薬師寺(奈良市西ノ京町)を参拝し、気づかされた。薬師如来像を合掌後、長く忘れていたことにハッとした。20世紀末の大みそか、日本画家の故平山郁夫さん(1930~2009年)がここに唐時代の高僧、玄奘三蔵法師(602~664年)の求法の旅を描いた「大唐西域壁画」(全長49メートル、高さ2・2メートル)を奉納した――ことをだ。

 玄奘は27歳の時、当時、中国に伝来していなかった経典を求め、旅立つ。インドで修学の末、経論や舍利、仏像を携えて17年に及ぶ旅から帰国後、膨大な仏典などを翻訳した。平山さんはその追体験をするように中国、インド、西域の国々を130回以上も踏査し、約4000枚ものスケッチに刻んだ。それを基に数十年をかけ、完成させたのが7画面13枚の大唐西域壁画。第5画面は「バーミアン石窟・アフガニスタン」だった。

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