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影山貴彦のテレビ燦々

同志社女子大学メディア創造学科教授・影山貴彦さんがつづるテレビにまつわるコラムです。

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影山貴彦のテレビ燦々

テレビドラマに求められるもの コロナ禍でも「生きる力」を

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 <影山貴彦のテレビ燦々(さんさん)>

 「生きていれば何とかなる、生きていればね」。9月27日に放送されたドラマ「半沢直樹」(MBS系)の最終回で、半沢(堺雅人)の妻、花を演じた上戸彩が、絶体絶命のピンチに陥った夫を笑顔で励ましながら言ったセリフだ。素晴らしいシーンだった。

 あれから2カ月近くたつが、折に触れ、いまだに私は頭の中で花の言葉を時折繰り返している。エンターテインメントが見る者に与える力は、とてつもなく大きいと改めて思う。

 今回の「半沢直樹」の設定は2020年ではない。コロナ社会になる前の時期だろうが、ドラマの中での明示はなかった。だが視聴者はこの作品を、「今」の私たちへのエールとして受け止めた部分が多かったに違いない。感染防止対策を最大限施しつつ、俳優同士の頰が触れるのでは?と思われるほど「密」な演技がなされたのも、制作陣の気概の表れだったのでは?と推察する。

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