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恋ふらむ鳥は

/153 澤田瞳子 画 村田涼平

 呆気(あっけ)に取られたあまり、よほど間抜けな面になっていたのだろう。咄嗟(とっさ)に言葉の出ない額田(ぬかた)に、葛城(かつらぎ)がついに噴き出した。

「おいおい。お前までが、そんな顔をするな。都移りなぞ、先々代の軽(かるの)大王(おおきみ)だってなさったことじゃないか」

「そ、それは確かに仰せの通りですが」

 古(いに)しえより、大王は代替わりごとに転居するのが習わし。それゆえ宝(たからの)女王(おおきみ)は二度の在位の間に飛鳥内で四度も宮を移し、彼女の弟である軽大王は即位後、難波に座を定めた。しかしそれはあくまで飛鳥を中心とする畿内の遷都であり、近江なぞという畿外に宮が置かれたことは一度とてない。

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