ミュージカル「生きる」(各地で上演中)は、胃がんで余命半年と知った定年間近の男が生きがいを見いだし、平凡な日常から踏み出すさまを描く。黒澤明監督の同名映画がもとになっており、2018年の初演に続き今年の再演も演出は宮本亞門が手がけた。「僕ががんになった理由を見つけるとすれば、この再演をするためだったと思う」。昨年、早期の前立腺がんが見つかった。
再演は演出を少し変えた。がんだと悟る場面で、主人公をダブルキャストで演じる市村正親と鹿賀丈史に「もっと自分勝手に。生々しく怒りや混乱を出しましょう」と提案した。自身の経験からだった。「みんなの深刻な表情はなに? 大勢いるのになんで僕なんだ。悪いことなんてしていないのに」と感情がごちゃ混ぜになって噴き出した。ただ深刻に、観客の同情を誘って泣かせるだけの場面にはしたくなかった。「いろんな感情があふれ…
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