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原因今なお不明 住民から工事再開恐れる声 東京・調布の市道陥没1カ月

陥没した住宅街の道路=東京都調布市で2020年10月18日午後2時41分、本社ヘリから玉城達郎撮影

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 東京都調布市の住宅街で起きた市道陥没から18日で1カ月となる。直下の大深度では東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事が行われており、施工者のNEXCO東日本が因果関係を調べているが、調査は12月半ばまでかかる予定で、原因は今なお不明だ。周辺住民は、陥没発生前から工事による振動があったとしており、工事再開を恐れる声を上げる。

 15日、住民ら約20人による集会が開かれ、地下で工事が行われていた9月ごろに振動に悩まされたことや、家の外壁にひびが入るといった被害があったことが報告された。現場に近い同市若葉町1の河村晴子さんは「大深度の工事は地権者に影響を及ぼさないと信じていたので、ビンビンと異様な振動があり驚いた」と語る。自宅を売却して老人ホームに移ることを検討しているという高齢女性は「(資産価値が下がって)売りにくいと言われている」と漏らした。

 集会では6、7日にNEXCO東日本や国土交通省が開いた住民説明会への不満を訴える人もいた。現場から南に約200メートル離れた同市東つつじケ丘2の長田(おさだ)裕さん(70)は「具体的な話がなかった」。同市の50代女性は、自宅が対象地域から外れたため説明会に参加できなかったといい、「家で振動が聞こえた。みんな不安だ」と話した。説明会開催を受けて工事が再開されないか不信感を募らせている人も多かった。

 

 陥没は、京王線つつじケ丘駅から南東400メートルの場所で起きた。NEXCO東日本によると、陥没の大きさは地表部分で長さ5メートル、幅3メートルで、深さは5メートル。外環道のトンネル工事はその真下の地下47メートルで進められており、陥没1カ月前の9月14日に巨大な円筒形の掘削機「シールドマシン」(直径16メートル)が通過したばかりだった。さらに道路陥没後のレーダー調査により、陥没現場から北へ40メートル離れた地中で幅4メートル、長さ30メートル、深さ3メートルの空洞も見つかった。同社の有識者会議が工事と陥没、空洞との因果関係を調べている。調査は12月中旬に終わる予定。

 外環道は、都心から15キロの圏域を環状に走る総延長85キロの道路で、高速道路と国道298号で構成される。首都圏の渋滞緩和などを目的に整備が始まり、高谷ジャンクション(JCT、千葉県市川市)―大泉JCT(東京都練馬区)間の49キロは既に開通している。現在、大泉JCT―仮称・東名JCT(東京都世田谷区)間の16キロで、関越自動車道と東名高速道路をつなぐトンネル工事が行われているが、陥没を受けてストップしている。【山本佳孝、青島顕】

原因究明には工事データと地盤の詳細調査必要

 外環道のトンネル工事は、2001年に施行された「大深度地下利用法」に基づいて行われている。同法は用地買収や地権者の同意なしに地下40メートルより深い場所の利用を認めるもので、首都圏・中部圏・関西圏の公共事業や公益事業が対象になる。

 国土交通省によると、地下深くならルートを直線化できるため工事の期間短縮やコスト削減などのメリットがあるという。JR東海が進めるリニア中央新幹線の建設工事をはじめ同法に基づく工事は4例あるが、他に道路陥没が起きたケースは国交省に報告されていない。

 東京工業大の竹村次朗准教授(地盤工学)は「大深度の工事でも地盤の状況で地表での振動は考えられる」と指摘。陥没について「トンネル工事での過剰な掘削、地下水の状況など複数の要因があり得る。原因究明には、工事データと地盤の詳細な調査が必要だ」と話している。【山本佳孝】

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